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平成16年第3回定例会-09月27日-02号

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  1. 台東区議会 2004-09-27
    平成16年第3回定例会-09月27日-02号


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    平成16年第3回定例会-09月27日-02号平成16年第3回定例会 平成16年第3回定例会 東京都台東区議会会議録(第10号) ●9月27日(月)                     (以下敬称略) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員(33名)      1番  和 泉 浩 司          2番  太 田 雅 久      3番  鈴 木   茂          4番  君 塚 裕 史      5番  中 山 寛 進          6番  小 菅 千保子      7番  堀 越 秀 生          8番  関 根 博 之      9番  橋 詰 高 志         10番  大和田   功     11番  鈴 木 昭 司         12番  高 柳 良 夫     13番  水 島 道 徳         14番  河 野 純之佐     15番  池 田 清 江         16番  田 中 伸 宏     17番  伊 藤 友 子         18番  稲 垣 晃 司     19番  小 菅 康 雄         20番  実 川 利 隆     21番  寺 井 康 芳         22番  青 柳 雅 之     23番  木 下 悦 希         24番  清 水 恒一郎     25番  伊 藤 征 輝         26番  杉 山 光 男
        27番  茂 木 孝 孔         28番  金 田   功     29番  田 口 治 喜         31番  伊 藤 萬太郎     32番  木 村   肇         33番  杉 山 全 良     34番  小 玉 高 毅 欠席議員(1名)     30番  堀 江 達 也 欠  員 な し ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席説明員  区長         吉 住   弘    助役         浅 津   勲  収入役        瀬 崎 昌 美    教育長        隈 部   孟  企画財政部長     岩 﨑 政 行    総務部長       野田沢 忠 治  区民部長       宮 内 宏 司    産業部長       神 子 雅 行  保健福祉部長     吉 村 伸 子    環境清掃部長     小 林 一 夫  都市づくり部長    山 口   明    教育委員会事務局次長 野 尻 金 治  財政課長       荒 川 聡一郎    総務課長       五所尾 武 司 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 区議会事務局  事務局長       磯 田 精 治    事務局次長      嶋 田 京 子  議事調査係長     坂 井 清 昭    議会担当係長     堀   文 恵  議会担当係長     曲 山 裕 通    議会担当係長     小 松 修 司  書記         西 山 あゆみ    書記         福 原 宏 子 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 議事日程 日程第 1 一般質問 追加議事日程 追加日程第 1 教育委員会委員の任命に伴う区議会の同意方について ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――          午後 1時03分 開議 ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員につきましては、会議規則第128条の規定により、     10番 大和田   功 さん    11番 鈴 木 昭 司 さん をご指名いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1 一般質問 ○議長(伊藤萬太郎 さん) これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  11番鈴木昭司さん。          (11番鈴木昭司さん登壇)(拍手) ◆11番(鈴木昭司 さん) 平成16年第3回定例会に当たり、自由民主党を代表して一般質問を行います。  この8月11日から29日までの19日間、アテネでオリンピックが開催されました。日本人選手の活躍は目を見張るものがあり、競泳、柔道、レスリング、陸上競技、アーチェリー等、活躍した選手の名前を挙げたら切りがないほどです。連日、その姿がテレビに放映され、睡眠不足になったのは私だけではなかったと思います。  特に、台東区在住の女子レスリング72キロ級の浜口京子選手の活躍はすばらしいものがありました。私は、こんな身近にオリンピックで活躍できる選手がいることに誇りを感じるとともに、深い感銘を覚えます。また、帰国後のあいさつの中で「メダルの色は残念ながら金色ではなかったですが、心は金色に輝いています」と笑顔で話し、台東区民はもちろん、日本国民にも深い感動を与えたと思います。  北京オリンピックまであと4年。長く厳しい試練が続くと思いますが、それを見事に克服し、胸に金色に輝く京子選手の晴れ姿をぜひ見せていただきたいと思います。私たちに今回以上の感激を味あわせてください。  頑張れ、頑張れ、気合いだ、気合いだ、気合いだ、京子選手。  それでは、質問に移らせていただきます。  第1は台東区基本構想についてです。  昨年8月、吉住区長から基本構想及び長期総合計画についての諮問を受け、台東区基本構想策定審議会が設置されました。  策定審議会のメンバーは、学識経験者、公募区民、区議会議員など36名で構成されました。また、審議会とは別に39名の公募区民の方々によります区民ワークショップから提言をいただき、9回の審議会を経た後、この8月25日の企画総務委員会で基本構想の答申が報告されました。  基本構想は、まちの将来を展望して、あるべき姿を描き、議会の議決を受けて行政の指針としていくものでありますが、台東区の基本構想は昭和54年1月に策定して以来、既に25年が経過しており、この間、区政を取り巻く環境は大きく変化し、現在に合わなくなってまいりました。また、これからの時代は、区民が、地域が、そして地方自治体が主役であります。区民が自分自身の手で、今まで以上に地域の課題に向かっていくことが求められております。  区は、区民と協力してさまざまな課題に対応し、できる限りの知恵と能力を発揮して、区民の生活をよりよいものとしていくことが責務であります。国全体の経済の動きは不透明であり、地方経済はさらに先行きが見えにくく、厳しい状況が続いております。しっかりしたかじ取りが必要です。また、行財政の構造改革、規制緩和が進み、国と地方自治体との関係がより対等となっていく一方、限られた資源をいかに活用して地域に合った行政を展開していけるか、地方自治体の真の実力を問われる時代になってきたと思います。  また、策定審議会は、目指すべき将来像を簡潔に一言で言いあらわすために「にぎわい いきいき したまち台東」というキャッチフレーズをつくりました。これは、3つの将来像から言葉をとり、台東区のあすを、「人が住み、集い、人と人とが交流し、産業や観光、まちづくり、地域経済などさまざまなかたちでにぎわいと活気にあふれ、豊かな文化のもとで、区民の生活がより明るくいきいきとしたものとなり、下町特有の粋と人情とが今日の生活に生かされて、次の世代につながっていく」、そうした社会としていくことをイメージしていると聞いております。  台東区基本構想は、20年後を展望して台東区の将来像を描き、それを実現するための区政運営の最高指針であり、いわば台東区の憲法となるものだと思います。  その構成は3つの基本理念、「下町文化の継承と発展」、「多様で快適なまちづくり」、「信頼と支え合いの地域社会」であり、将来像は「にぎわいと活力のまち」、「いきいきとした個性あるまち」、「暮らしやすいまち」、基本目標は将来像を実現するためのさまざまな施策のあらましが記されています。  基本構想については、企画総務委員会で、熱心で活発な質疑応答があると思いますので、私はここでは簡単に触れてみたいと思います。  この基本構想の中で、「下町文化の継承と発展」という基本理念、「にぎわいと活力のまち」という将来が現在の台東区にとって最も重要な課題と私は考えています。「にぎわいと活力のあるまち」という将来像の中で、産業、文化、観光の観点から3つの基本目標が示されていますが、「観光のまち、台東区」という観点においてどのようなことを考えているのか、可能であれば具体策についてもお尋ねします。  また、この基本構想に基づいて、財政的にも裏づけされ、より具体的になる長期総合計画が台東区民にとってすばらしい計画となりますよう、心より祈念するとともに、長期総合計画に対する区長の決意をお尋ねします。  第2は浅草のまちづくりに関して質問させていただきます。  この7月に数回の準備会を経た後、浅草地区における観光まちづくりの方策を検討し、推進するために、浅草地区観光まちづくり推進協議会が発足しました。  構成メンバーは、浅草観光連盟浅草商店連合会浅草地区町会連合会浅草地区関連団体、浅草寺、浅草地区関連企業、また、支援する立場で浅草地区の選出議員、台東区となっております。また、「歴史・伝統を生かした潤いのまち」、「回遊性のある楽しいまち」、「基盤整備と賑わいのまち」というテーマのもと、3つの部会が構成されています。この推進協議会が、これからの浅草の発展のため大きな成果を上げることを期待します。  そこで、明年に迫ったつくばエクスプレス開通に関して質問をさせていただきます。  思い起こせば、現在の常磐線が飽和状態となり、第2常磐線が検討されたころ、浅草のまちの方々が中心となって誘致運動が展開されたのは10年以上も前のことでした。そして、平成5年に常磐新線として浅草駅をつくると発表され、みんなで大喜びしたことがまるできのうのことのように思い出されます。  そして、当初平成12年開通の予定が、用地取得の障害などで、諸般の事情で平成17年開通と延期され、工事期間が10年の長期にわたったため、工事場所である国際通りは疲弊し、商店数が減り、その影響は国際通りのみならず、浅草の西側地域全域に及び、集客力は大きく後退しました。この間、みんな必死に努力して持ちこたえてまいりました。  しかし、長く苦しい時代が過ぎ、この新線がつくばエクスプレスと改称され、来年の夏、いよいよ開通される運びとなりました。浅草の人たちはこの日を心待ちにしています。また、この新線開通を千載一遇のチャンスととらえ、浅草活性化の起爆剤にしたいと考えています。  そこで、区長にお伺いいたします。来年の夏のつくばエクスプレス開通を、区はどのように考えているのか、また、その推進体制を含めてどのような対応を考えているのかお尋ねします。  次に、この4月に発足しました生活安全推進担当についてお尋ねします。  犯罪の起こりにくい安心・安全のまちづくりには、区、警察のみならず、地域住民、事業者が、みずからの安全はみずからが守るという意識を持ち、助け合って地域を守っていくという防犯意識が必要であります。生活安全推進担当は、こうした防犯意識の啓発や地域の自主防犯活動への支援を積極的に行うために発足しました。  また、8月9日には関係団体の代表者で構成する「台東区生活安全推進協議会」が発足しています。安全で安心して暮らせる地域社会は、区民の皆様の協力なくしては実現できません。  台東区内の犯罪状況を調べてみますと、平成15年8,312件、平成14年8,722件で、前年と比べてみますと410件減っています。しかし、平成10年と比べますと平成10年は6,805件で、平成15年と比べますと1,507件も増加しており、依然として厳しい情勢であります。平成16年の上半期を見てみますと4,020件、平成15年の同時期比では141件増加しております。区では既に防犯カメラの設置、職員による安全・安心のパトロール実施等、成果を上げてきています。また、区長の所信表明の中にもありますように、早速、この9月1日には区のホームページ生活安全コーナーを開設したことは、高く評価したいと思います。また、区民の自主防犯活動支援のために、区内統一のベストを用意していると聞いております。  区では、防犯カメラの設置助成、職員による安全・安心パトロールの実施や、区のホームページに生活安全のコーナーを開設する等、さまざまな施策を実施してきましたが、さらに安全・安心なまちづくりに向け、次の3点についてお尋ねします。  第1は、警察との連携を深め、そこから得た情報をより正確に、かつ速やかに区民に提供すべきと思いますが、区長のお考えをお尋ねします。  第2は、文京区では地域住民による夜間パトロールに区長が参加したことがあると聞いていますが、本区でも日ごろ区民との触れ合いを大事にしている吉住区長が自主防犯パトロールに参加すべきと思いますが、いかがでしょうか。  第3は、区内に設置されている防犯カメラは、犯罪の抑止に効果を発揮していますが、今後の防犯カメラの設置等について、どのように考えているのかお尋ねします。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 鈴木昭司議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、台東区基本構想についてでございます。  新たな基本構想につきましては、3つの基本理念、3つの将来像、そして、将来像を実現するための施策のあらましである基本目標を掲げ、本議会に提案しているところでございます。  議員ご指摘の、将来像「にぎわいと活力のまち」は、産業や観光、文化の分野の基本目標を実現することによって目指していくまちの姿でございます。私が区長就任以来、目指しております「にぎわいと元気のまち 台東区」の趣旨にも合致する重要な将来像と考えております。  観光のまちという観点からは、「まちの魅力の創出」という基本目標を掲げているところでございます。観光資源の磨き上げや快適性・安全性の向上、効果的な観光宣伝を推進するとともに、新たな観光コースや回遊しやすい基盤づくりなどを積極的に進めてまいります。そして、文化性豊かな国際観光都市として魅力のより一層の向上を目指し、観光の振興を図ってまいります。  次に、長期総合計画の策定についてでございます。  長期総合計画は、変化の激しい社会状況の中、10年という長期的展望をもって区が進めていく施策の総合的な計画でございます。したがいまして、新たな長期総合計画には、基本構想に示しております将来像を着実に実現していくための具体的な施策を盛り込んでまいりますので、よろしくお願いいたします。  ご質問の第2は、浅草のまちづくりについてでございます。  つくばエクスプレス開業に当たっての私の考えと、その推進体制を含めた対応についてでございますが、つくばエクスプレスは当初、常磐新線として計画されてから20年近くの年月を要した区民待望の事業でございます。私の掲げる「にぎわいと元気のまち 台東区」を実現するための好機であり、地域の活性化を実現する千載一遇のチャンスであると認識いたしております。  また、推進体制につきましては、私が先頭に立ち、地域や商店街の方々と行政が一体となった組織をつくり、今後、皆様方が計画するさまざまな事業や催し物等の取り組みについて、積極的に支援をしてまいります。  ご質問の第3は、生活安全推進担当についてでございます。  まず、防犯情報等の提供についてでございます。  区民の安全確保や地域の防犯活動を効果的に行うためには、防犯情報等の共有化を図ることが非常に重要であると考えております。  9月から防犯情報や犯罪発生状況などを区のホームページに掲載しておりますが、今後も警察署と連携を密にし、適宜情報の更新を行い、速やかに情報を提供してまいります。また、現在ファックスを利用して子どもの安全確保に関する情報を公私立の小・中学校、幼稚園等に伝達しておりますが、今後これに加え、緊急の防犯情報等を全町会に伝達し、区民の犯罪被害の未然防止に努めてまいります。  次に、地域の自主防犯パトロールに積極的に参加してはとのご提案についてでございます。  地域で自主的な防犯活動が活発化していることは、安全・安心のまちづくりに向けて、非常に心強く感じております。私もこうした活動団体の結成式に出席することがございます。今後、活動の節目等機会を見て、激励にお伺いしてまいりたいと考えております。  次に、防犯カメラ設置の基本的な考え方についてでございます。  区では、防犯カメラが犯罪抑止に有用であると考え、町会や商店街など、地域団体を対象に防犯カメラの設置助成を行っております。  一方、プライバシーの侵害が懸念されていることから、助成に際しては十分配慮するよう指導してまいりました。今後、設置地域もふえてまいりますが、区としてのプライバシー保護に配慮した運用基準を具体化して、区民の皆様の防犯カメラへの理解を深めていただき、防犯カメラの有用性とプライバシー保護の両方を調和できるよう努めてまいります。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 14番河野純之佐さん。          (14番河野純之佐さん登壇)(拍手)
    ◆14番(河野純之佐 さん) 区民クラブの河野純之佐です。  平成16年第3回定例会において、大きく4項目にわたり、区長並びに教育長に質問をさせていただきます。  第1点目は区民栄誉章、文化・スポーツ奨励賞の受賞者の皆さんと区民との交流についてです。  まず、先般の区長の所信表明にあったように、区内在住である浜口京子さん、田中めぐみさんがアテネオリンピックに、そして、佐藤真海さんがパラリンピックに出場されました。3人の皆さんには、立派な活躍に心から祝福と敬意をあらわすとともに、今後のさらなる飛躍を心よりお祈り申し上げます。また、ご家族の皆様に対しても、敬意と祝福を申し上げます。  中でも、世界の強豪を相手に銅メダルを受章された浜口さんは、並大抵な集中力と精神力を十分に発揮され、区民だけでなく、広く国民に感動を与えたことは、本区にとっても大変喜ばしいものでした。  彼女がオリンピック出場を決めて以来、本区では激励の横断幕を揚げ、また、地元では馬道町会連合会の主催で多くの区民を集めてのテレビ観戦応援を行い、遠くアテネに届くほどの精いっぱいの応援を皆さんとともに、私もさせていただきました。  帰国後のメダル受章の報告会のあいさつでは「メダルの色は金色ではなかったが、心は金色に輝いて帰ってきました。I LOVE 台東区、サンキュウ台東区」と笑顔でのあいさつはとてもさわやかで印象的でした。  そして、会場に来た子どもに対しては、1人1人にメダルをかけてあげたり、一緒に写真を撮ったりして、心からのサービスをしていた姿に感動したのは私だけではないでしょう。オリンピック選手と会えて、握手やサインをしてもらった子どもたちは、生涯忘れられない一生の思い出になったと思います。  彼女の謙虚な姿、純真なハートを持ったすばらしい人間性や身近に感じる振る舞いは、恐らく自然と出た行動であり、これは立派な両親からのしつけや教えによるもので、家族のきずなや子育ての方法など、私も子どもを持つ親として多くのことを学ばせていただきました。  浜口さんをはじめ、オリンピックに出場された皆さんから得られるものはまことに貴重であります。次世代の子どもたちの育成だけではなく、子育てをしている親など多方面に大きなよい影響を及ぼすことと確信します。  引き続き本区もできる限りの支援をしていくことは必要だと思っております。大きな夢や目標を持ち、将来オリンピック選手を目指すような子どもたちを育てるためにも、ぜひ子どもたちとの交流の場をつくって、指導などをしていただきたいと思います。次への目標があり、大変多忙だとは思いますが、子どもたちが一生の思い出や励みになる機会は大変貴重であり、ぜひ実現に向けての努力をしてほしいと願っておりますが、教育長の所見をお伺いいたします。  そして、過去にも本区から顕著な功績をされた方に対して、区民栄誉章や文化・スポーツ奨励賞を差し上げております。本区にとり、受賞者の皆さんは大変貴重な財産です。皆さんとの交流は、一過性のつながりで終わらせるのではなく、今後も支援をしながら末永い良好な交流を築くことが必要であると考えますが、今後はどのように交流を図るのか、区長にお伺いいたします。  第2点目の質問は、3人の区民がオリンピックに出場したことは、本区としても名誉なことであり、これを大きな契機ととらえ、スポーツの振興について質問をいたします。  スポーツは、体を動かすという人間の本質的な欲求にこたえ、爽快感や達成感や仲間との連帯感を味わえ、楽しみ、喜びをもたらし、体力の向上や健康の増進を与えるものであります。スポーツを通じて心身の健全な育成を行い、フェアプレーの精神を培い、生涯にわたりスポーツに親しむことは大変意義があります。  今回のオリンピックで実感したように、スポーツ選手のひたむきな姿は、国民のスポーツへの関心を高め、夢や感動を与えるなど、社会に対しても明るい話題を提供するものであります。健康な生活を営む上で、必要不可欠なものと認識され、区内でもウオーキングやジョギングなどを楽しむ区民も多く、ますますスポーツの重要性が高まっております。  私自身も子どものころから少年野球やテニスやゴルフを親しみ、スポーツの効用を実感してまいりました。本区でも青少年の健全育成、生涯スポーツの振興などをうたっておりますが、身近な場所においてスポーツを気軽に楽しめる環境を整備し、子どもからお年寄りまでが日常生活の中にスポーツを取り入れることができる生涯スポーツの社会を実現していくことが重要と考えております。  しかし、本区におけるスポーツをする環境を見ると、スポーツの各施設も少なく、リバーサイドスポーツセンターなど老朽化が進んでいるところもあり、スポーツを振興する上で整備が必要と思われます。そこで、教育長は、区民の今後のスポーツの振興をどのように考えていくのか、お尋ねいたします。  次に、子どもたちがスポーツを行う環境についての質問ですが、文部科学省が行っている体力・運動能力調査によると、最近の小・中学校の子どもたちは、全国的な傾向として体重や身長の体格は大きいが、体力や運動能力が低い子どもたちが多くなっていると指摘しております。  区内の子どもたちも体格は東京都の平均値にほぼ達しているものの、ボール投げ、持久走、上体そらし、前屈運動、握力など平均以下になっている結果が出ております。この状況では、早急に体力や運動能力の低下傾向に歯どめをかけなくてはいけません。  体力の低下の原因は、学校が週5日制になり、体育の授業時間が減り、運動する時間の減少があります。また、生活面では塾などの学習活動や室内の遊びの増加に加え、交通手段の発達や電化製品のリモコンなどの普及、さらにはマンション住まいがふえ、階段からエレベーターへの使用が多くなり、日常的に体を動かす機会が以前より格段に減少しております。すなわち、日常生活での便利さが子どもたちの体力低下を生んでいるわけであります。  体力は人間のあらゆる活動の源であり、健康面だけではなく、勉強や物事に取り組む意欲や気力などの精神面の充実にも深くかかわっており、特に小・中学生のうちに基礎体力をつけることは、成人したときに充実した生活を送る上で大変大切です。明るく、元気でたくましい子どもをつくっていくことは、本区の重要な責務です。  例えば、夏休みの間は小・中学生のスポーツ施設の無料化など、子どもたちがスポーツをしやすい環境づくりを考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。また、体力を向上させるため、授業での取り組みや工夫を一層充実すべきと思いますが、今後どのように対応していくのでしょうか。そして、学校においてのスポーツの振興をどのような方向で考えているのか、教育長に伺います。  次に、子どもたちの遊び場や運動する公園の役割は、子どもたちが思い切り遊べる空間を提供することです。しかし、公園の現状を見ると、遊具は古い、スポーツコーナーのフェンスは壊れかかっている、区内の数カ所にあったバスケットボールのゴールポストも、騒音などの理由ですべて取り外しているような状況では、子どもの楽しみにこたえているとは思えません。  公園などにもっと魅力があれば、自然と子どもたちも集まり、活発に利用がされ、にぎわいが生まれます。今後は、今まで以上に子どもたちを大きく育て、成長させる視点を持って公園づくりをしてほしいと思います。子どもたちのにぎわいを取り戻すために、公園やスポーツコーナーの整備や充実を図るべきと思いますが、区長の考えをお伺いいたします。  3点目の質問は、校庭の芝生化の推進についてであります。  区内で初めて蔵前小学校の校庭に芝生化が実現いたしました。教育現場の新しい改革のスタートとして、大きな期待を抱いております。アスファルトの校庭などで走ったりすることになれている子どもたちは、はだしで遊べる芝生の校庭は夢のようなプレゼントであり、特色ある学校づくりの目玉になると思います。  平成14年の第4回定例会で、区民クラブの会派を代表し、学校の芝生化の提言をさせていただいた私も、このたびの完成までの間、PTA、学校、地域、行政、議会などの多大なる協力に感謝し、これからも子どもたちが健やかにたくましく育っていくことを願ってやみません。  芝は生き物であり、今後の課題は管理面になりますが、芝刈りや水まきなどの日常の芝の管理は、子どもや学校や地域の人たちが協力し合いながら行うと聞いております。しかし、初めての試みなので、専門的なメンテナンスや問題が発生したときの体制づくりが必要であります。  そこで、教育委員会はどのように芝生の管理にかかわっていくのでしょうか。  校庭の芝生化による環境的な効果については、夏の時期に校庭の表面温度の上昇を抑え、周辺の騒音を低減し、空気を浄化するなどの効果があります。加えて、景観の向上とともに、芝生の緑が子どもたちの心に安らぎ、落ち着きなどを与えると言われております。また、芝生の手入れに子どもたちを参加させ、環境教育の生きた教材として活用することが期待されております。  そこで、教育面だけではなく、環境面での効果のある芝生化をさらに研究・分析をして、今後どのように広げていくのかお伺いいたします。  安全で安心して自由に動き回れる空間は、幼児にとっても必要な環境であり、転んでもけがの可能性の少ない芝生は、安心して通わせたいと思う親にとっても、大歓迎な環境だと思います。  子育て支援の充実として、区内の保育園や幼稚園でも園庭などは芝生化を推進するべきだと思いますが、教育長にお伺いいたします。  4点目の質問は、ラジオ体操を通じて学校と地域との連携についてであります。  現在でも国民的な体操であるラジオ体操は、国民の体力の向上、健康の増進に大きくかかわり、多くの国民に愛され普及してきました。本区では、昭和28年に松葉公園が戦後初めて全国に向けてのラジオ放送を発信した会場として選ばれ、現在では区内のほとんどの地域で体操が行われております。  特に夏休みと言えばラジオ体操と言われるぐらい、台東区の朝の風物詩になっており、NHKの指導者が全国でこれほど盛んに体操している自治体は珍しい、さすが元気な区民が多いのはすばらしいと言うくらい、地域のスポーツとして長く根づいております。  生活パターンが不規則になりやすい夏休みの間には、子どもたちも早起きをして体操することは、健康をつくるだけでなく、早起きは三文の得と言われるように、規則正しい生活をし、健全な成長をする意味でも大変大きな効果があります。  子どもたちの参加は親の体操への参加を促し、親が子どもに無理やり誘われて出るような場合もありますが、親子そろって一緒に体操する光景はまことにほほ笑ましい姿であります。  新しい住民もふえ、近所でもお互いの顔や名前がわからないような昨今では、子どもの参加により子ども・親・地域の住民同士が体操を通じて、あいさつや会話が自然とできるコミュニケーションの場は貴重な存在です。まさにこれが地域ではぐくむ心の教育の実践の場であると思います。  そこでまず、毎年夏休み期間中、心の教育の実践の現場に率先して参加されている区長の所見をお伺いいたします。  私も子どものころ、体操に参加をして、出席カードに判こをもらい、ご褒美にジュースやノートをもらったよき思い出があります。毎日頑張って早起きして体操を行い、地域の行事に一生懸命に参加する子どもたちを、地域だけではなく学校なども含めて評価をする、褒めるような連携づくりが大切であると考えます。  例えば出席カードは、夏休みのラジオ体操だけで使うのではなく、保育園・幼稚園・学校が連携して評価をすることも可能ではないでしょうか。子どもを褒める機会を多くつくることは、大変よいことだと考えます。だれでもが当たり前にできそうなことを着実にやり遂げる力を、小さい子どもたちに身につけさせることは大変重要です。  地域に根づいたラジオ体操をスポーツ文化としてとらえ、しっかり継承していくべきであり、さらには心の教育を積極的に推進するためにも、ラジオ体操を通して地域と学校などが連携するべきと考えますが、いかがでしょうか。  以前は、学校でラジオ体操を一斉に行っておりましたが、指導要綱の変更などにより、今ではそれぞれの学校独自のストレッチ運動に変わり、内容も各学校で違います。区内小学校でもほとんどの学校が授業でのラジオ体操の指導は皆無で、中学校において若干指導する程度と聞いております。  本区では、これほど伝統的な運動として地域で積極的に行っているので、せめて学校全体の行事である運動会や連合陸上競技大会などのときに、ラジオ体操を取り入れ、台東区らしい教育を進めるべきと思いますが、今後の方向性についての教育長の所見を伺い、質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 河野議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区民栄誉章顕彰者、文化・スポーツ奨励賞受賞者の皆さんと区民との交流についてでございます。  これまでの受賞者と区との関係についてでございますが、顕著な功績を残された受賞者の皆様は、それぞれの分野においてすぐれた能力や努力はもとより、多くの学ぶべき見識や経験をお持ちの方でございます。  したがいまして、そうした受賞者の皆様と区民が交流する機会を設けることは、意義深いことと考えております。今後、受賞者の皆様とどのような関係を築いていけるか、具体的な方法について検討してまいります。  ご質問の第2は、スポーツの振興についてでございます。  スポーツや遊びをすることは、子どもたちの健全な育成に欠かせない要素でございます。  公園につきましては、これまでも地元の要望を取り入れた球技のできるスポーツコーナーや広場を設置してまいりました。今後とも、老朽化したスポーツ施設や遊具につきましては、計画的な改修を行い、子どもたちが主体的に利用できる空間を確保してまいります。  ご質問の第3は、校庭の芝生化の推進についてでございます。  保育園の園庭についてでございますが、芝生化は園児のけがの防止や情操の涵養のみならず、環境面でも有益であることは私も認識しております。しかしながら、保育園の園庭は、その面積が狭く、砂場やプールなどの施設が混在するなど、種々の課題がございます。したがいまして、芝生化につきましては、各園の導入の是非も含めて検討してまいります。  ご質問の第4は、ラジオ体操を通しての地域と学校などの連携についてでございます。  ラジオ体操につきましては、私も議員のお考えに同感でございます。  ラジオ体操は早朝、しかも、毎日欠かさずに行われることから、とかく不規則になりがちな青少年の健全育成や、さらには親子や人々とのあいさつを初めとした地域との触れ合いによる心の教育に果たす役割は大変大きいものと認識いたしております。私もこのような思いがあって、この夏は各地区のラジオ体操会場に毎日参加させていただいたところでございます。  教育問題につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 教育長、隈部孟さん。          (教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 河野議員のご質問にお答えさせていただきます。  まず、区民栄誉章等の顕彰者と区民の交流についてのご質問でございます。  このたびのアテネオリンピックやパラリンピックでの浜口京子さんを初めとする選手のすばらしい活躍は、区民の誇りであり、多くの子どもたちに夢と希望を与えております。  選手と子どもたちとの交流の場につきましては、出身校などではお呼びしたいという意向もあるようですので、ご質問の趣旨を踏まえ、区長部局とも協議し、実現に向けて検討してまいりたいと存じます。  次に、スポーツ振興についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、今後の区民のスポーツの振興についてでございます。  スポーツは心身の健全な発達に必要不可欠なものであり、人生をより豊かに充実したものにし、また、活力ある社会の形成にも貢献するものであります。そのため、これからもだれもがそれぞれの体力や年齢、目的等に応じて、継続して身近なところでスポーツや運動に親しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指してまいります。  今後は、リバーサイドスポーツセンターの老朽化に伴う改修や体育施設の運営の充実、スポーツ開放校の実施内容・方法等を見直すなど、地域におけるスポーツの普及・振興を図ってまいりたいと存じます。  次に、小・中学生の夏休み等におけるスポーツ施設の無料化についてでございます。  現在、区立スポーツ施設の小・中学生の利用につきましては、学校による利用の場合や少年スポーツ団体が利用する場合については、使用料免除の取り扱いをいたしております。また、リバーサイドスポーツセンターの区内の中学生以下の個人利用につきましては、プールを除き無料としているところでございます。  このように、小・中学生がスポーツ施設を利用しやすいものとしておりますが、まだ十分に周知されていない面もありますので、PR等に努めてまいります。今後とも、小・中学生の一層の体力向上に資するため、より多くの小・中学生に利用してもらえるよう努力してまいりたいと考えております。  次に、学校での体育の取り組みの強化についてでございます。  議員ご指摘のとおり、子どもの体力の低下につきましては、私も大変憂うべき状況にあると考えております。  本区の小・中学校におきましては、体育の授業時数も減少している中で、体育の授業の充実を図るとともに、始業前や休み時間等にも体を動かす意識を持たせ、児童・生徒の体力の向上が図られるように努めております。  また、生涯スポーツの観点から、地域におけるスポーツ活動との連携を図ってまいりたいと考えております。  今後も、各学校で実施される体力調査の結果等も参考にしながら、積極的に強化を進めてまいります。  最後に、学校でのクラブ活動等のスポーツの振興についてでございます。  小・中学校では、各校ともクラブ活動や部活動を積極的に行っているところでございます。中でも、スポーツに関するクラブ活動や部活動では、多くの児童・生徒がともに汗を流し、それぞれの目標に向かって努力をいたしております。  指導者の不足や施設面の課題などもございますが、今後も各学校を積極的に支援し、児童・生徒が生涯にわたってスポーツに親しんでいけるよう指導してまいります。  次に、校庭の芝生化の推進についてのご質問にお答えをさせていただきます。  蔵前小学校の校庭芝生化につきましては、校庭改修に合わせ、地域からの要望を踏まえてトラックの周りを天然芝化したものでございます。  蔵前小学校では、現在日常的な管理を学校・地域等で実施するよう、協力体制づくりを進めております。今後、芝生の損傷に伴う補修や種まき、芝生の病気などについて技術的なアドバイスが必要な場合は、教育委員会が必要に応じて専門家を派遣するなどして対応をしてまいります。  次に、今後の校庭芝生化についてでございますが、校庭改修の際に、芝生化も含め、学校の利用方法やPTA、地域のご意見を伺いながら検討してまいります。  次に、幼稚園の園庭の芝生化についてでございます。  幼稚園の園庭は、面積が狭いことや、小学校の校庭を利用しているなどさまざまな課題がございます。したがいまして、芝生化につきましては、各園の導入の可能性の是非をも含めて検討させていただきたいと存じます。  最後に、ラジオ体操を通しての地域と学校の連携についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、ラジオ体操を通じた学校と地域の連携についてでございます。  本年度は、地域や関係団体から相談のあった学校では、出席カードの配布等の協力も行い、大勢の児童がラジオ体操に参加してくれたと関係者から感謝の声が伝わってきております。  朝のラジオ体操は、子どもたちが地域の方と朝のあいさつや会話を交わせるよい機会でもあり、心の教育の推進にもつながる1つの方策でもあると考えます。  それだけにあいさつの運動のモデル地域で、地域がイニシアチブをとって行動しておりますように、地域がまず積極的に保護者や各家庭に働きかけ、その中で学校との連携を深めていくことが大切であると考えます。  また、ラジオ体操のみならず、地域の公園清掃等のボランティア活動等を初め、継続的に地域活動に参加した児童につきましては、各学校におきまして、積極的に評価するなどの支援を進めてまいります。  次に、ラジオ体操の学校での取り組みの現状と今後の方向性についてでございます。  ラジオ体操は、臨海学校の朝の体操や中学校の部活動の合宿等で活用されております。一方、連合陸上競技大会におきましては、オリンピック等の国際大会と同様に、ウォーミングアップやけがの防止に有効なストレッチ運動等を中心とした準備運動が必要であります。そのため、陸上競技場のような特定の運動の準備運動としては、ラジオ体操は十分でない面もありますので、ご理解いただきたいと思います。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 17番伊藤友子さん。          (17番伊藤友子さん登壇)(拍手) ◆17番(伊藤友子 さん) 第3回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表して5点にわたり質問いたします。
     質問の第1は、平和問題に関連し、3点質問します。  1点目は、来年60周年を迎える東京大空襲犠牲者追悼を初めとした平和事業の開催についてであります。  一夜にして台東区民1万余人が犠牲になり、焦土と化した東京大空襲について、我が党区議団は機会あるごとに取り上げてまいりました。本年第1回定例会でも、杉山区議が犠牲者名簿収集の取り組みについて質問いたしました。吉住区長も東京都とも協力し名簿整備に取り組むと前向きな決意の答弁がされました。  来年は60周年の節目の年を迎えます。名簿整備とあわせ、二度と戦争はしない、戦争による犠牲者を出さないという憲法の精神に立って、犠牲者追悼集会を行うべきではないでしょうか、答弁を求めます。  さらに、今、吉住区長に台東区商店街連合会会長、上野観光連盟会長、海老名香代子さんなどから、当時遺体が収容された上野公園に犠牲者追悼碑を建立してほしいとの要望が提出されていますが、3月10日に間に合うよう、早急に対処すべきではないでしょうか。この間の経過と実現に向けての決意についてお聞かせください。  2点目は、憲法9条に対する区民の姿勢についてであります。  今、憲法、特に9条をめぐる状況が、戦後史の中で最も危険なものとなっています。小泉首相の「集団的自衛権を行使できるように憲法を改正すべき」という発言、民主党の岡田代表の「憲法を改正して、国連決議があれば海外での武力行使ができるようにするべき」との発言、米国のパウエル国務長官やアーミテージ国務副長官による「憲法を見直すべき」という内政干渉の発言など、改憲の大合唱を始めています。  しかし、どんな世論調査を見ても、憲法9条は守るべきという国民が6割と多数であります。また、世界の流れも、イラク戦争に世界の圧倒的多数の国々が反対したように、21世紀の世界の大勢は国連憲章の平和のルールを尊重した戦争のない世界を志向しています。  憲法9条は、この流れのさきがけとして人類的価値を持つものであるということが、世界からも注目されているのであります。  今、ノーベル賞作家の大江健三郎さん、元首相夫人の三木睦子さん、作家の澤地久枝さん、井上ひさしさんなどが呼びかけてつくった九条の会を初め、立場の違いを超え、日本国民の平和への願いと良識を結集した運動がさまざまな広がりを見せています。吉住区長も憲法9条を守る立場を明確にすべきと思います。  この問題は、国会で議論すればいいという問題ではありません。国民、区民1人1人にかかわる問題であり、15万区民の最高責任者である吉住区長の問題であります。吉住区長の見解を求めます。  3点目は、歴史教科書問題について質問いたします。  東京都教育委員会は、8月26日、来年4月に台東区で開校する都立白鴎高校附属中学校の歴史教科書に、侵略戦争を美化した「新しい歴史教科書」を使うことを決めました。この教科書には、太平洋戦争を「大東亜戦争」として自衛とアジアを欧米の支配から開放し、「大東亜共栄圏を建設することであると宣言をした」と書いてあります。  南京大虐殺は「さまざまな意見がある」と実態をわからないように描き、従軍慰安婦や朝鮮人強制連行は明記せず、侵略という言葉を「侵攻」「侵入」と表現し、歴史の事実をねじ曲げたものとなっているのであります。  ご承知のとおり、教育基本法は戦前の軍国主義教育への反省から制定されたものであり、「平和的な国家及び社会の形成者の育成、真理と正義を愛し個人の価値をとうとび、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成」を掲げています。歴史の真実をねじ曲げ、憲法、教育基本法を敵視する教科書採択は容認できません。  教育長も、憲法と教育基本法を遵守することを誓約し、長年職務に専念してきたと思いますが、今回の都教育委員会の決定をどのように認識しているのでしょうか、お伺いします。  子どもたちに歴史の真実をしっかり伝え、世界の宝とも言うべき憲法9条を生かす平和の国づくりの大切さを教えることこそ大切なのではないでしょうか。教育長の答弁を求めます。  第2は、台東区基本構想についてであります。  今定例会に区長は、基本構想策定審議会の答申を受けて、台東区基本構想を提出されました。私も、策定委員の1人でありましたが、答申策定に向け、1年にわたり熱心かつ真剣な論議をされました審議会委員の皆さんに改めて敬意を表するものです。  昨年の第2回定例会において、我が党の杉山区議は「憲法25条の精神を基本構想の基礎に置くことが重要」との質問に対し、区長は「当然憲法の精神を遵守してまいります」と答弁されました。しかしながら、最終答申は、受益者負担の適正化や民間活力の導入と称して、自治体本来の役割をさらに放棄しかねない方向が強調されているのです。政府の国民犠牲、地方自治体いじめの構造改革を容認し、これまでの行政運営をさらに推進することを明言しています。  このような基本構想が憲法92条、地方自治の本旨に合致するものなのか疑問であります。基本構想は、憲法の精神を根底に据えて策定すべきと考えますが、区長の所見を伺います。  次に、行政経営の推進についてであります。  今回の基本構想には、経営という用語が多く見られます。コスト論と効率で評価する行政経営を目指すことは、採算の合わない事業や施策は後景に追いやられてしまうことになります。住民の安全、健康、福祉の向上に努めるという自治体本来の役割に逆行するものであります。  区長の選挙公約は「安心・信頼の健康・福祉・医療施策」「子育てするなら台東区、介護も台東区」を掲げております。経営感覚の導入という手法では、区民への公約も絵にかいたもちになりかねません。行政経営という手法は改めるべきであります。区長の所見をお伺いします。  次に、「元気な18万都市・台東区」を築き上げる人口問題についてです。  基本理念と将来像で「にぎわいと活力のあるまち」を提唱していますが、この活力の源泉である人口の数値目標は提示されませんでした。  基本構想策定審議会会長は、区長への答申の提出に当たり、将来人口については、定住人口の着実な増加等、できる限りの取り組みなどを行っていくことが大切という議論が行われたと報告し、今後区長の判断と区議会の論議にゆだねられることになりました。区長は、元気な18万都市の実現に向け、どのように考えを持って取り組んでいくのかお聞かせください。  次は、よりよい区政の実現という責任を果たす立場から、国や都が区民犠牲を強いるような政策に対する基本姿勢の問題についてであります。  今、小泉内閣の三位一体改革に対し、地方税財政を守ろうと、知事、市町村長による意見書が政府に出されていますが、既に今年度税源移譲を上回る補助金削減が行われました。保育所費などが一般財源化され、来年度は生活保護費が一般財源に移行する方向が打ち出されています。  本区の生活保護予算額は、平成16年度の総予算額の18.8%を占めているように、この補助制度が廃止されたら、区財政の根幹を揺るがすことになります。  さらに、地方自治法の改正で指定管理者制度の導入を保育園や図書館、特養老人ホームなど社会福祉施設を民間事業者へ管理・運営を委託していく選択が平成18年4月を実施時期として自治体に求められています。  民間活力の導入により、このようなやり方で果たして住民の福祉を増進させることはできるのか、公共性の重要な要素である公正性や平等性を守れるのか問われます。国や都に対し、改善の意見を上げていくことを基本的な姿勢として明文化しておくべきであります。その点での見解をお示しください。  第3に、新台東病院の基本設計入札に関してお尋ねいたします。  待望する新台東病院開院が、いよいよ基本設計までこぎつけたと、多くの区民が喜んでいました。ところが、この基本設計の入札で台東区が適切と考えていた予定価格3,600万円の0.02%、わずか8,366円の超低価格で落札する設計会社があらわれました。さすがに台東区も、低入札価格調査検討委員会を開催しましたが、今後の大きな課題は残るが、今回はこの最低入札者を落札者と決定、8月4日に正式契約を行っています。  最近、異常な安値で公共事業を落札するケースが多発しているために、国の公正取引委員会が全国各地の調査を行っています。そして、本年4月には岩国市のし尿処理施設の基本設計を、予定価格の10%、実施設計を1%以下で落札した会社に、不当な安売りに当たり、独占禁止法に違反するおそれがあると、今後異常な低価格で落札を行わないこととする警告を行いました。  この警告は当然で、体力のある会社が採算を度外視して、異常に安い価格で公共事業を独占すれば、不況で苦しむ中小企業は倒産の危機にさらされます。このような経済ルールを壊すようなことを、行政が旗を振るなどもってのほかとしか言いようがありません。  台東区は、「大きな課題は残る」としながら、予定価格のわずか0.02%の異常な低価格で契約したことは、どんな理由をつけようとも、独占禁止法違反とした、わずか4カ月前の公正取引委員会の警告を無視したことになります。しかも、重大なケースにもかかわらず、公正取引委員会への問い合わせは電話というお粗末さであり、台東区議会には正式な報告がないまま、契約が強行されました。さらに、その後の推移は、台東区の姿勢が不当であることを日々示しています。9月7日には、この事態を無視できないと、4名の中小業者が本ケースを公正取引委員会に独占禁止法違反で告発しました。  設計士の全国組織である日本建築家協会でも批判が広がり、会長名で厳しく批判した見解が発表され、台東区には発注者責任を問う公開質問状が提出されています。新台東病院の基本設計をわずか8,366円で落札した設計会社自体が謝罪し、社長も含めた関係者の処分を行っているのであります。  台東区は中小企業の町です。不況で苦しむ中小企業の息の根をとめるような不当な安売りを台東区が率先してあおるような契約は許されるべきではありません。契約は白紙に戻して、入札をやり直すべきでありますが、区長の所信を伺います。  また、今後こうした異常な入札が行われた場合、条例で定められた金額以下であったとしても、議会の意見を聞いて事態を決定すべきが議会制民主主義の基本であると考えますが、区長の答弁を求めます。  第4は、高齢者地域見守りネットワークが真に生きた制度として推進が図られるよう質問いたします。  この制度が始まって10カ月がたちました。我が党区議団は地域の高齢者を孤立化させないために、見守り、声かけのネットワークづくりを先進的に実施している立川市などを視察し、議会でも提案してまいりました。  この間、この制度があることで命を救われた事例も幾つか聞いていますが、残念なことにだれにもみとられず、ひっそりと死んでいく孤独死がことしの春から夏にかけて、私どもが把握しているだけでも5名の方がおられます。制度の発足に当たって、ひとり暮らし、高齢者世帯の1万6,800世帯に対し、民生委員による訪問調査が行われ、家族と同居、あるいは半径500メートル以内に家族が同居している方が対象外とされ、該当者は4,503世帯に絞られました。  この間、相談協力員である民生委員により、見守り体勢ができた世帯は79件、在宅介護支援センターと直接つながった方は延べ182件と、対象者の5.7%の現況となっています。  見守りにつなぐテンポがなぜ進まないのかの問いに、所管は「4,503世帯全部に見守りが必要とは考えていない、在宅介護支援センターが中心となって、対象者名簿により個人の状況を把握したり、民生委員や地域から要望が寄せられたりすれば対応」と言っています。本当にそういう対応でいいのでしょうか。  今回の孤独死について、所管はその事実を全く把握していませんでした。亡くなった方でひとり暮らしは3名、家族と同居であってもビルの階数が違っていたり、近くに家族が住んでいても往来が少なかったりしていました。ひとり暮らしの方など、対象者名簿ではどのような現状把握だったというのでしょうか。  今後さらに孤独死を出すようなことがあってはならないことです。見守りネットワークの事業の周知をさらに図ることです。我が町から孤独死は出さない、1人の命を大切にする地域づくりを推進していくため、高齢者世帯の希望者をすべて対象にすべきではないでしょうか。ご答弁ください。  2つ目は、この事業計画をいつまでに何世帯まで持っていこうとしているのか、そのために各地区にボランティアとしての地域協力員は何人必要であり、その確保に向けての方策をどうお考えでしょうか、お伺いします。  3つ目は、町会と民生委員さん、地域の協力ボランティアの方、そして、区民事務所などもかかわった地域ネットワークをつくるために、所管の高齢福祉課と区民課が連携し合うことについてであります。  災害時などにおいても、高齢者が犠牲になるケースが後を絶ちません。ある町会の役員の方は、災害時などにおいて、だれがだれを見るのか担当を決めておこうと、敬老の月を迎えた今、話をしていると言っておりました。  防災訓練をしたり、敬老の祝い品を届けたりして、うちの町会には70歳以上は何人いると町会内の実態を比較的把握されています。行政の連携を図ることについて、どう考えているのか答弁を求めます。  4つ目は、ネットワークのさらなる充実のため、3つの提案です。  1つは、これまで地域の高齢者のボランティアとして活動されている友愛訪問員さんをさらに拡大していくこと、2つに、ひとり暮らしの方への安心コールの設置をさらに推進し、その緊急通報協力員に登録されている方たちのネットワークへの参画を求めていくことです。  3つ目に、「お元気コール」の実施についてです。  谷中コミュニティ委員会は、専門部として20年前からひとり暮らしのお年寄りで希望する対象者に「お元気ですか、お体の調子いかがですか」と現在40人に電話をかけています。月1回、1人が10人単位で電話コールしているとのことです。そっと見守るネットワークから、希望する人には直接安否確認を電話コールするネットワークづくりのあり方を検討・工夫してみてはいかがでしょうか。答弁を求めます。  最後に、30人学級の問題について質問いたします。  これまで我が党区議団は、繰り返し30人学級の提案をしてまいりました。文部科学省は少人数学級の効果を認め、その導入については都道府県の判断にゆだねています。これに伴い、全国の42道府県が30人学級の実現に向けた動きとなっています。このような動きについて、教育長の所見をお伺いします。  区内の児童数が減り、小学校では既に30人以下のクラスも3分の1となっていますが、30人以上のクラスが多数であります。これまで教育長は、学級編制は東京都の同意がなければ行えないとの答弁に終始してきました。文部科学省が今月3日、各都道府県に送付した事務連絡では、現在少人数指導のため加配している教員を国に申請することなく、少人数学級を自由に実施することができることを通知しています。新しい条件を活用し、30人学級に踏み出すよう、都に働きかけていくべきであります。所見を伺います。  以上で私の質問を終わります。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 伊藤友子議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は平和についてでございます。  まず、空襲の犠牲者追悼のための事業についてでございます。  平和のとうとさを若い世代に伝えていくことは、大変重要なことであると認識いたしております。来年は多くの犠牲者を出した東京大空襲のあった年から60年目に当たる節目の年でございます。これを1つの機会としてとらえ、平和の啓発につながる取り組みを検討しております。  また、東京大空襲記念碑について、私も今、東京都にお願いをいたしているところでございます。  次に、平和についての私の考え方についてでございます。  本区は昭和36年に平和宣言、平成7年に平和都市宣言をいたしました。私もここに宣言した社会の実現に向けて、今後とも努力してまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。  ご質問の第2は、台東区基本構想についてでございます。  まず、憲法との関係についてでございます。  本区を初めとする地方自治体は、憲法第92条、「地方自治の基本原則」に基づき制定された地方自治法により組織され、運営されております。したがいまして、新たに策定する基本構想も、当然憲法の精神を遵守したものであると考えております。  次に、行政経営の推進についてでございます。  基本構想を策定し、行政経営によって区政を進めていくことにつきましては、経営改善のための手法や職員の意識改革を一層進めて、持てる資源を最適、有効に活用し、必要なサービスを効果的、効率的に提供していくものでございます。  次に、18万都市についてでございます。  まちのにぎわいと活力を維持し、高めていくためにも、定住人口の着実な増加、年齢層や世帯構成などのバランスを良好にしていくこと、就業者人口の維持・増加、来街者数の増加など、できる限りの取り組みを行っていくことが必要であると考えております。そのため、産業、観光、まちづくり、福祉、健康、子育て、教育など総合的な施策展開を行ってまいります。  次に、国や都の政策に対する姿勢についてでございます。  今後も、国や都の動向に注意を払い、よりよい区政を実現していくために必要な展望等を行ってまいります。  ご質問の第3は、(仮称)新台東病院基本設計入札についてでございます。  まず、契約についてでございます。  今回の入札では、最低価格で入札を行った株式会社松田平田設計について、履行確保、公正取引の2つの観点から検討を重ねました。  公正取引の観点からは、課題を残しつつも入札手続は適正に行われており、公平性、透明性を踏まえ、落札者として妥当と判断をいたしました。その結果契約したものであり、ご理解をいただきたいと存じます。  次に、今回のような入札があった場合の議会への報告についてでございます。  現在、地方自治法で議決事項となっている案件に加え、1億円以上の工事または製造の請負について議会にご報告をいたしております。今後も、案件の内容に応じて、適宜議会にご報告をいたす所存でございます。  ご質問の第4は、高齢者地域見守りネットワークについてでございます。  まず、見守り対象者を高齢者全体に拡大することについてでございます。  現状におきましても、対象とならない高齢者をそれぞれの状況に応じて、在宅介護支援センターにおいて見守りを行っております。今後も、日常生活に不安を抱き、見守りを希望する高齢者に対しては、本人の意向を尊重し、見守りを実施してまいります。  次に、今後の事業展開についてでございます。  見守りネットワークは、高齢者が住みなれた地域で安心して生活を送れるよう、地域全体で支え合う仕組みでございます。現在、民生委員や町会役員、家主を初め、対象者にかかわるさまざまな方のご協力により、見守りが行われている事例もございます。協力ボランティアの確保につきましては、地域の実情を考慮し、検討してまいります。  次に、本事業の周知徹底についてでございます。  事業開始に当たり、「広報たいとう」やパンフレットの町会回覧などにより、周知に努めてまいりました。今後も引き続き、地域の在宅介護支援センターごとの連絡会などを通じて、事業の周知に努め、きめ細やかな見守りを図ってまいります。  次に、議員のご提案につきましては、関係者と協議をするなど、今後十分に検討してまいりたいと存じます。  教育問題については、教育長がお答えいたします。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 教育長、隈部孟さん。          (教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 伊藤友子議員の教科書採択についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、東京都教育委員会の教科書採択につきましては、台東区教育委員会として申し上げる立場ではございませんので、ご理解をいただきたいと存じます。  また、台東区教育委員会での教科書採択につきましては、日本国憲法等の法規の理念や精神を十分に踏まえ、公正かつ適切に実施してまいりたいと考えております。  次に、30人学級についてのご質問にお答えをさせていただきます。  現在、本区では各学校に配置された加配教員を活用し、ティームティーチングや少人数指導等を実施し、適時・適切な指導を充実させるなどの効果を上げてきたところでございます。
     議員ご指摘のとおり、国では都道府県の判断で40人によらない柔軟な学級編制が行えるものとしております。  しかしながら、区としての学級編制は、東京都の同意がなければ行えず、都の学級編制基準は40人で変わっておりません。仮に30人学級を導入した場合、多額の財政負担が必要となりますので、東京都への申し入れにつきましては、現時点では難しいものと考えております。  区といたしましては、指導方法や形態を工夫しながら、今後とも少人数指導の一層の充実を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 34番小玉高毅さん。          (34番小玉高毅さん登壇)(拍手) ◆34番(小玉高毅 さん) 台東区議会公明党の小玉高毅でございます。  平成16年第3回定例会に当たりまして、公明党を代表して、区長並びに教育長に一般質問を行います。具体的な提案も含め質問いたしますので、区長の率直な、明快なる見解をご答弁いただきたいと思います。  質問の第1は、旧下谷小学校の今後の活用についてでございます。  学校跡地の活用については、これまでもさまざまな提案や計画が検討されていることは承知しております。そこで、私は旧下谷小学校の跡地活用について1つの提案をさせていただきます。  この提案は、本区の文化を機軸とした活性化を目指すための壮大な計画であり、実現するためには多くの課題や調整すべき事項があることは十分認識しております。既に文化政策懇談会を設置するなど、文化政策に対して積極的な姿勢を示されておられる吉住区長が、本区の特徴である大衆文化の振興について、さらなる進展を図っていただく上で十分参考にしていただけると思い、提案させていただきますので、区長のご所見を伺いたいと存じます。  提案の内容ですが、外務省の外郭団体である社団法人国際フレンドシップ協会が企画立案しているものでございます。その団体では、江戸文化の継承・日本大衆芸能の発展のための事業展開を考えています。具体的には、学校の跡地を有効活用して、そこに日本演芸家連合という団体と連携して、日本大衆演芸の基地をつくりたいという内容であります。  江戸文化と言えば、台東区の持つイメージにふさわしいですし、台東区の学校跡地で大衆演芸の発展に貢献できれば、区のPRにもなります。この事業には旧下谷小学校跡地が最適地だと考えられるのではないでしょうか。  そこで、この企画の内容をご紹介いたします。  まず、旧下谷小学校に日本演芸家連合14団体、1,700名の事務所と演芸道場を置きます。この日本演芸家連合14団体とは、次の団体です。  社団法人落語芸術協会、社団法人落語協会、講談協会、日本浪曲協会、社団法人日本奇術協会、太神楽曲芸協会、漫才協団、東京演芸協会、ボーイズバラエティ協会、日本司会芸能協会、上方落語協会、社団法人浪曲親友協会、関西演芸協会、最後に関西芸能親和会、以上の14団体に属する1人1人の演芸家の大衆芸であるソフトを活用させていただくメリットは、大変に価値あるものです。  次に、考えられる事業概要として、主に4つの事業が挙げられます。  1つは、教室を利用しての事業でございます。日本の伝統的な大衆芸能を、子どもやお年寄りにもわかりやすい指導のもとで、みずから体験し、参加者が大衆芸能のすばらしさを感じていただいたらどうでしょうか。そのためには3つの教室を開き、地元・地域・地域外の皆様方に参加していただきます。  1つには、奇術教室を開き、江戸紙切り、マジック、手品などを習います。2つには、落語教室を開き、江戸小話、話し方教室や浪曲・講談などを習います。3つには、カラオケ教室を開き、歌謡曲・民謡・ものまね・声帯模写などを考えています。各教室からは月謝収入を得るようにします。  2つ目は、高齢者の生きがいをサポートするための大衆演芸の活用は考えられないでしょうか。高齢者に笑いと元気を取り戻していただき、自殺防止、健康長寿に奉仕できれば大変に喜ばしいことであります。  例えば、演芸道場を開設し、若手演芸家を中心に毎日公演をしていただきます。また、この若手の演芸家たちの中から未来のスターを育て、発掘の場として魅力ある演芸を皆様に楽しんでいただくようにします。この演芸道場から新しいスターが育つことは、台東区地域まちづくりの活性化に大きなメリットが生まれます。  演芸道場は年中無休で実施し、台東区の顔とします。入場料金は低額にし、地元を初め区外・海外の観光コースの中に組み込み、1人でも多くの皆様に参加していただくようにしたらどうでしょうか。  3つ目は校庭でのイベントを実施します。イベントは次のようなものが考えられます。  大道芸、全国物産展・朝市、インターナショナル・マーケット、またフリーマーケット等です。これらのイベントをテレビやラジオで情報発信し、日本各地のさまざまな物産や世界各国の屋台文化を通じて、来場者の人間と人間の交流を図ります。  4つ目として、演芸家連合の物販店を開設します。  演芸家連合のグッズ販売に加えて、日本伝統芸能の資料等を展示して、来訪する皆様に見ていただきます。  以上の4つの事業の推進に当たっては、台東区在籍のNPOが母体となっていただくことなどが考えられないでしょうか。台東区の歴史・伝統に根づいた大衆芸能をシンボルとした事業計画を成功させるためには、地元の人々が推進の顔になり、共生と調和のとれたまちづくりを目指す方向で考えてみたらどうでしょうか。  最後になりますが、今提案した4つの事業を日本演芸家連合と連携して実施することで、台東区の核となる旧下谷小学校を情報発信のシンボルとすることができ、ひいては台東区が日本大衆芸能の発信基地としての大きな役割を担うことができます。そのことにより、町の発展はもとより、未来の子どもたちに江戸文化の歴史の継承と日本大衆芸能に貢献しつつ、魅力と活力のある庶民文化のまちづくりを目指すことができると考えますが、いかがでしょうか。区長の前向きな答弁を求めます。  質問の第2は、全区的に文化芸術の振興に取り組むための台東区独自の(仮称)文化芸術振興条例を制定してはどうかとの提案であります。  全国での署名活動や政府への申し入れ、さらには独自の法案づくりなど、公明党が終始リードして、平成13年11月に文化芸術振興基本法が成立いたしました。以来、文化庁予算は808億円より年々増加して、今年度は1,016億円と厳しい財政状況のもと増額し、確保できたのも文化芸術振興基本法という根拠を持ったことによってであります。さらに、以前は文化芸術事業への寄附について、税制上の優遇はありませんでしたが、社団法人企業メセナ協議会を経由することによって、所得控除になる改革もなされました。この数年間で国の文化政策の前進がありました。  台東区においても、このたびのこの基本法の精神を受け、吉住区長は台東区文化政策懇談会の提言をまとめ、21世紀のまちづくりの基本を文化の力によるとした視点は、私も同感であり、時宜を得た英断であると、この提言を高く評価するものであります。  前段で申し上げました芸術家や芸能人の育成と支援策、活動の拠点の整備等、大衆文化の振興のための助成や支援も条例で定めて、文化の振興に積極的に取り組んではと思うのであります。  そこで、この提言を具体的実行に移すためにも、台東区独自の(仮称)文化芸術振興条例を制定してはどうかと、区長の見解を求めるものであります。  質問の第3は、清掃事業職員の任用と給与問題についてお尋ねいたします。  東京23区が基礎的自治体と位置づけられて4年がたちました。しかし、依然として決着がつけられていない問題は、清掃事業移管に伴う職員の待遇問題であります。  清掃事業は、区移管後も円滑に運営され、各区の独自の展開が進められています。そして、清掃事業を担う職員については、平成12年度から6年間は都の派遣職員として待遇し、平成18年度からは区職員への身分の切りかえが行われることになっております。  ところが、そのための前提となる人事制度が区にはございません。本来ならば移管に伴う都区合意に基づいて、平成14年度中に区清掃職員のための新人事制度が制定されるべきでありました。しかし、依然として実現されておりません。おくればせながら昨年12月、区長会は清掃事業にかかわる人事の課題に関する当面の方針を決定しました。  その内容は、平成18年度以降の清掃職員の任用給与制度について、平成16年9月を目途に新制度の結論を得られるよう、助役会の検討を踏まえて最終決断する。また、新制度は17年度から前倒しで適用するというものです。また、新人事制度の制定に当たっては、職員団体との労使交渉は、区長会として統一的な対応を図るとしております。  新人事制度について、17年度からの適用を行うため、本年9月を目途に最終結論を得るというのであれば、この第4回の定例会で条例制定を行わなければ間に合いません。ぜひとも条例制定を行うべきでありますが、区長はどのようにお考えでしょうか。  新たな人事制度には、任用と給与の2つの課題があります。従来の区の現業部分と清掃事業では、事業所の職員数などが大幅に異なり、同じ任用、給与制度で運営に当たることは困難であります。当面は、区の従来の現業部門の制度と清掃事業の任用・給与制度を併存させ、いずれ整合を図ってていくことが現実的な判断であると思いますが、区長のお考えをお伺いしたいと思います。  一方、給与に関して、区長会は調整額を設置しない方針としています。しかし、平成11年の都区合意では、移管に際しては処遇総体の水準低下は招かないと定めております。この矛盾を現実的に解決していく必要があります。  そこで、公明党として提案いたしますが、現在の調整額の一定割合を本給に組み込んだ新給料表を策定し、残りを当面の調整額として支給し、数年を目途に減額して区長会の結論どおり、将来的に調整額をなくしていく方向で検討すべきであると思いますが、この点について重ねてお尋ねいたします。  清掃事業という特殊性を考慮し、また、歴史的に待遇面で不利な立場に置かれてきたことも配慮し、今定例会で現実的な解決策をぜひとも模索していくべきであります。区長の見解を求めます。  質問の第4は、総合型地域スポーツクラブの育成とその事業の推進について、教育長にお尋ねいたします。  だれもが気軽にスポーツを楽しめるようにするため、国は本年度から全国規模で総合型地域スポーツクラブの育成推進事業をスタートさせ、約10億円の予算を盛り込まれました。この事業は、スポーツ振興基本計画に基づき、今年度から平成22年度までの7年間、毎年200の市区町村に総合型地域スポーツクラブを少なくとも1カ所設置し、計1,400市区町村に整備することを到達目標としております。  総合型地域スポーツクラブの主な特徴としては、利用者も運営主体も地域住民であり、複数の種目が用意されている。また、障害者も含め、子どもから高齢者まで利用できる。初心者からトップレベルの競技者まで楽しめる。また、質の高い指導者がいる。スポーツ以外の文化的な活動のプログラムも用意されている等、多彩な内容となっております。  今年度の募集締め切りまでに、文部科学省のモデル事業として500以上のクラブが申請設立され、子どもから大人までだれもが参加できる地域住民のスポーツ活動の場として、生涯スポーツ社会の実現に寄与しております。  運営は文部科学省が財団法人日本体育協会に委嘱し、対象となる市区町村を選定することになっております。育成対象のクラブに指定されると、その後2年以内の総合型クラブ設立を目指し、活動支援費として1クラブ当たり年間300万円、2年間を上限に援助を受けることができるとされております。  事業の募集対象は、主としてスポーツ活動を行っているクラブ、チーム、サークルなどの団体、青少年のスポーツ活動に取り組むスポーツ少年団、学校開放やスポーツ教室をきっかけに集まったグループなど、地域の自治会、青少年団体などが本事業の対象者です。  これらの対象団体に働きかけ、来年度に向け本区においても総合型地域スポーツクラブ設置を申請し、設立準備委員会を立ち上げてはどうかと提案いたすわけでありますが、教育長の答弁を求めます。  質問の第5は、新東京タワー建設誘致運動についてお尋ねいたします。  区長は、6月の前定例会における議会答弁において、「この構想に関しましては、さまざまな課題があると存じますので、今後とも慎重に対応する必要があると考えております」と誘致運動に消極的な発言をしておりますが、その後も町においては、新東京タワー区内建設誘致準備会を発展的に解消して、具体的候補地を上野から浅草に移して選定し、台東ワールドタワー誘致拡大推進協議会に改組されて、さらに誘致運動の強力化が図られております。受け皿ができ、候補地が特定されれば、区長もその先頭に立つと期待している人もいます。現時点においても、区長は慎重な対応をおとりになるのか。もしそうであるならば、その理由を具体的に区民に説明する必要があると思いますが、明快なる区長の答弁を求め、私の質問を終わります。ご清聴、大変にありがとうございました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 小玉議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、旧下谷小学校の今後の活用についてでございます。  旧下谷小学校跡地につきましては、財政健全推進計画において事業が凍結されており、当該事業の必要性を含め、そのあり方などを引き続き検討することといたしております。  ご提案の大衆芸能の発展に資する活用方策という趣旨につきましては、台東区文化政策懇談会の提言にも、芸術家、芸能人の育成と支援を図り、活動の拠点を整備することが掲げられており、有意義であると考えております。  しかしながら、学校跡地の活用につきましては、長期総合計画など区の計画事業を実現させること、区の財政に寄与することを活用の基本的な考え方といたしております。  今後とも、議員のご提案も参考にしながら、学校跡地の活用につきましては鋭意検討してまいります。  ご質問の第2は、(仮称)文化芸術振興条例の制定についてでございます。  このたび、台東区文化政策懇談会から台東区の文化政策についての提言をいただきました。この提言は、文化の果たす役割や意義、台東区の文化特性を示し、文化政策の基本的な考えと方向を明らかにしており、まさに台東区における文化政策の指針でございます。また、この中で32の具体的な事業の例示をいただいております。  私はこの提言の実現に積極的に取り組んでいく所存であり、議員ご提案の条例の制定につきましては、今後、文化政策を推進していく中で鋭意検討してまいります。  ご質問の第3は、清掃事業職員の任用と給与問題についてでございます。  清掃事業に従事する職員に適用する人事・給与制度につきましては、平成15年12月の区長会で当面の方針を決定し、その後、ご質問の給料表及び調整額を含め、助役会で鋭意検討を進めていたところでございます。  区長会といたしましては、助役会の検討結果を踏まえ、具体的な中身の検討に入っております。また、新しい制度による職員採用につきましては、平成17年4月に間に合うよう最大限の努力をしてまいりますので、ご理解いただきたいと存じます。  ご質問の第5は、新東京タワー建設誘致運動について、私の考えを区民に説明する必要があるとのご指摘でございます。  私は、新東京タワー構想の趣旨については十分理解しているところでございますが、同時にこの構想を進めるためには、既成市街地内での法的規制や都市基盤整備を初め、さまざまな課題が山積していると認識しております。  今後とも関係機関を含め、区民の皆様のご意見を伺いながら、慎重に対応してまいりたいと考えております。  教育問題については、教育長がお答えいたします。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 教育長、隈部孟さん。          (教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 小玉議員の総合型地域スポーツクラブの育成とその事業の推進についてのご質問にお答えをさせていただきます。  現在、台東区では区民が地域においてスポーツを行えるよう、体育施設のほか、小・中学校を開放したスポーツ開放校などがございます。また、地域における運動やスポーツの普及・振興に寄与するものとして、各地区のコミュニティ委員会、スポーツ少年団の活動などがございます。これらの活動は、総合的地域スポーツクラブの内容と類似するものでございます。  このような本区における現状を踏まえますと、総合型地域スポーツクラブを立ち上げるには、地域における関連する団体間の調整が必要となってまいります。これらの各団体の理解と協力を得つつ、区民の生涯スポーツ振興の観点から、台東区における総合型地域スポーツクラブのあり方について、総合的に検討を行い、台東区の地域特性に応じた生涯スポーツ環境の整備を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) それでは、ここで15分間休憩いたします。          午後 2時42分 休憩 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――          午後 3時02分 開議 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 休憩前に引き続きまして会議を開きます。  8番関根博之さん。          (8番関根博之さん登壇)(拍手) ◆8番(関根博之 さん) いぶきの会の関根博之です。平成16年第3回定例区議会に当たりまして、いぶきの会を代表して区長さんに、3つのテーマで8つの政治判断が必要な質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。  最初のテーマは、基本構想の取り扱いについてであります。  まず、区民の代表の皆様と学識者が参加した審議会でまとめられた素案が、台東区の憲法と位置づけられて今議会に提出された基本構想案について2点、お尋ねいたします。  この基本構想案は、今後20年間の台東区のビジョン、グランドデザインとでも言いましょうか、この台東区行政と地域社会の目指す姿が示されるものであります。そして、続いて策定する今後の10年間の台東区政の政策目標を長期総合計画としてまとめ、さらに、その目標を実現するために具体的な施策事業の展開が3年間の行政計画として策定されることになります。今回の基本構想は、長期総合計画やこの行政計画とも一体的な体系を前提に策定されたものであるということを確認しておきます。  そこで、続いて策定される長期総合計画には、都市ビジョンを区民と共有するためにも、都市経営を考えるのには欠かせない基本数値として、住民票を持つ夜間人口だけでなく、店や企業に勤務する就労者の昼間人口、そして、観光客や買い物客などの来街者である流動人口を目標年度に明記することが重要であると思います。  現在、事業施策を考えるベースになっている平成10年度策定の長期総合計画の指標に、夜間人口だけが単なる将来人口予測として、平成19年には13万人と示されております。政治的には単なる人口フレームではなく、10年先、20年先の夜間人口、昼間人口、そして、流動人口に政策的な目標人口が示されてこそ、住宅政策とか幼稚園や保育園、そして、学校の適正規模や適正配置、高齢者などの地域福祉や地域医療などの政策や事業の実現方法も検討できるのではないでしょうか。区民と共有の数値目標を掲げることが、生きている政治であると思います。  そこで区長さんにお尋ねいたします。ただいま伊藤友子議員からの質問の答弁でも、定住人口、勤労者人口、そして、来街者人口の増加に向けて総合的に施策の展開で実現を図るという答えをしておりましたけれども、基本構想に続いて策定する長期総合計画、ここにぜひ夜間人口、昼間人口、そして、流動人口を明確に示して、政策立案の基本的な指標とすることと、区民との協働で目標実現に取り組むという生きた政治をつくる必要があると思いますが、いかがでしょうか。  次に、基本構想案を今議会に提出し、承認され、可決後すぐに施行することを予定しているようですが、これから策定される長期総合計画と行政計画とは、整合性を持った一体的な政治行為として取り扱われるべきものであります。もうすぐ始まる来年度の施策事業と予算編成は、今回の基本構想とは異なるスタンスの、今までの長期総合計画と行政計画に沿って計画されることになり、大きな矛盾が生じてしまいます。これは政治的にも政策的にも、整合性と妥当性は全くないはずであります。せっかく区民の代表の皆様にもご参加いただき、学識者のお骨折りでまとまった基本構想でありますから、有効性あるものとするために、実施時期については長期・中期・短期で台東区の社会展望と政策展開が見えたときに、同時にスタートさせることが本来の姿であろうというふうに考えております。  そこで、区長にお尋ねいたします。  今議会に提出の基本構想案は、議会が承認可決してからすぐに実施するのではなく、政策立案の長期総合計画と施策事業を展開する行政計画のまとめがそろうという、同時一体性をもって取り組まなければならないというものであるところから、今議会での基本構想案の承認可決後、直ちに条例施行することには賛成できないと考えておりますが、区長のお考えをお尋ねいたします。  2つ目のテーマは、水にかかわる環境整備についてであります。  台東区の都市魅力を高めるための政策について、区民の健康と環境に大きな影響を持ち、もっと多くの関心を寄せなければならない水にかかわる環境整備について4点お尋ねいたします。  まず、区民の家庭やお店や事業所で、蛇口を回すと出てくる水道水についてお尋ねいたします。  最近読んだ2冊の本で水をテーマにしたこの本の中で、東京や大阪などの大都市の水道水の水質が汚染された結果、肝臓がんや乳がんの死亡率が高いという指摘があります。その中でも東京で一番悪い地域が台東区であるというデータが示されているのを見て、びっくりいたしました。特に、利根川・荒川水系が水源近くから農薬や工場廃水、そして、洗剤や食用油などの生活雑排水によって汚染されていることから、雑菌消毒のために金町浄水場は塩素処理の濃度を高くして、その結果残留塩素も多く、昔は暑い夏場に蛇口を回すとカルキ臭かったことが多くの区民の皆様にも記憶にあると思います。  塩素濃度の高い水は、乳幼児の体に必要な細菌の抵抗力を少なくしてしまうことになり、抵抗力をなくした子どもたちはアトピーや皮膚炎にもなりやすく、塩素の高いプールなどでは目にしみて、赤く炎症も起こしたりします。塩素は殺菌力があるというプラスの一方で、抵抗力をなくしてしまうというマイナスも持っているのであります。  JR山手線の東側、この台東区の区域は金町浄水場からの給水を受けております。金町浄水場からの給水管路は、直径50センチと60センチの幹線で、台東区には北側はちょうど明治通りを挟んで4つの幹線が台東区に入ってきています。東側は隅田川を挟んで5つの橋と平行して金町からの幹線が、合計9つの幹線が台東区に入ってきて、皆さんの水道水に給しているわけであります。そして、区内に入ったこの幹線は、区内では網の目の水道管のネットワークをつくっております。しかも、台東区の水道管のネットワークの半分は、まだ鉛管が使われております。平成18年度までには、東京都は新しいステンレス管にかえるという予定のようでありますが、この鉛管の鉛は水に溶けて、多く人体に蓄積されると、もちろん有害となります。今までは人体に与える悪い影響はない程度だと言っておりますが、安心していられるわけではありません。  いずれにしても、安心して飲めない水道水では、都市生活基盤設備としては最悪であり、その対策として東京都水道局は平成4年6月に、オゾンと生物活性炭を組み合わせた高度浄化処理設備を金町浄水場に設置いたしました。  しかし、金町浄水場の1日の浄水処理量が160万トンであるのに対して、この高度浄化処理量は52万トン、つまり全体の3分の1しか対応できないということで、今はこの3分の1の高度浄化処理と今までの沈殿処理の3分の2の浄水をブレンドして配水しております。その結果、それでも今まであったようなカルキ臭さは、平成4年度以降は薄くなったということであります。
     まだまだこの処理では不十分であるということが、さきに述べた4年前と3年前に水質検査した2冊の本によって指摘されたのです。  人の体も地球もその7割が水です。しかも、人が飲む水は、約1分間で血液に入り、全身に回り、よい水は脳にまで達します。生きている人間にとってかけがえのない水。今から約40年前の1961年、当時のソ連のガガーリン飛行士は、人類最初の宇宙飛行をなし終えた後、「地球は青かった」と、豊かな水の惑星、地球を宇宙から見て感動されたのでした。地球にとっても、地球上に生きる多くの生物にとっても、地球の水の環境の中で生かされているのではないでしょうか。  区民に一番身近な飲料水は水道水なはずですが、最近では天然水をボトルで買い求めたり、水道管に数十万円もする活水器を取りつけたり、蛇口に10数万円もする浄水器を取りつけて、きれいでおいしい、体にいい水を求めて、それぞれの家庭で飲料水対策をとっております。  そこで、区長にお尋ねいたします。  きれいでおいしく、体にいい水を区内の各家庭やお店などに配水できるよう、台東区に配水される9つの給水管に給水浄化装置を設置したり、学校跡地のプールなどに台東区のミニ浄水場をつくるなど、東京都と台東区のおいしい水モデル地区プロジェクトを立ち上げて、台東区の都市魅力の1つの実現に取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。  次に、きれいな水環境をつくり、台東区が水環境先進区になるというもう一つの提案です。  きれいな水が流れる場所のシンボルは、清流にすむ蛍です。谷中には「蛍坂」という地名が残っております。江戸時代、徳川将軍家の菩提寺になった上野寛永寺の領地であった谷中に、夏の始まりになると蛍が飛び交うところから、そこは蛍坂と呼ばれました。今では、この蛍坂に面して、台東区が谷中のまちづくりの防災拠点として整備を推進しているところでありますが、蛍坂のがけ下にぜひ清流をつくり、夏に蛍の飛び交う谷中のまちの復興を提案いたします。  板橋区では、蛍の生育に力を入れて、蛍肥育施設をつくり、自然環境への取り組みなどさまざまな研究を発展させています。そこで区長、我が台東区でも谷中に蛍の里をつくり、自然環境の大切さを学ぶ場にしようではありませんか。いかがでしょうか。  次に、まちの中の水辺環境の整備についてお尋ねいたします。  まず、柳橋と浅草橋がかかる神田川についてでありますが、柳橋周辺には船宿が数軒あります。いずれも隅田川や東京港に出て、釣りや屋形船での船遊びに利用されております。神田川は徳川家康の江戸入城にあわせて、武家屋敷や城下町に暮らす人たちの上水に利用するため、本郷神田山台地を外堀を兼ねて掘り割りを開き、隅田川につないだ水路でありますから、水面までの土手の高さは深く、隅田川や荒川のような河川とも、江東区の水路とも異なる地形で、東京の新しい風景が楽しめるものと思います。  そこで、神田川を楽しめる水辺空間とするには、台東区だけでは取り組めません。神田川の流れる他の中央区や千代田区、文京区や新宿区、そして、東京都とも連携して、江戸川橋あたりまで船遊びや水上交通の利用などもできるよう、水辺整備を進めるための協議をしていただきたいと思うのですが、区長にはいかが取り組んでいただけますでしょうか。  2つ目のまちの中の水辺環境の整備は、ヘドロやメタンガスが発生するなど、水質汚染した結果、過去に暗渠になり、現在は春には桜のお花見にも利用されている山谷堀公園を見直すという提案です。  山谷堀を流水が流れ出る隅田川は、近年関係者の努力で目覚ましく水質も改善され、ハゼやボラなどの魚影も多く見られます。  そこで、暗渠になっている山谷堀を掘り返し、子どもたちがはだしで水に親しめ、釣り場もある親水公園としての整備を提案いたします。  先日開かれた台東区の都市計画マスタープラン検討委員会の席でも、暗渠になった河川の復活を訴える学識者もおりました。いい提案です。区長には、山谷堀公園を親水公園とする整備の検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。  3番目の質問のテーマは新台東病院についてであります。  高齢者社会の先頭を走る台東区では、千束の都立台東病院跡地にいよいよ念願の高齢者医療施設の計画が進められております。この新台東病院について2点お尋ねいたします。  まず、高齢者医療の現状ですが、現行の医療制度の不十分さから、高齢者の病状に合った処置や、必要なリハビリが十分受けられないまま、次の、またその次の入院先の病院を確保しないと、次の病院にも入院や転院ができずにいる現状から、病院ベッドのたらい回しが通例になってしまっている結果を、大変憂慮している1人であります。これは皆様も同じだろうと思いますし、区長も同じ感想をお持ちだろうと推察いたします。  そこで、この現状を放置し、麻痺させないためには、現行の医療制度の不条理な部分の改善を政府に訴える一方、新台東病院の建設をきっかけに、台東区独自の高齢者医療体制の確立に向けて、現状制度の打開と規制緩和を図るべく、高齢者医療特区構想などを打ち出すなど、取り組みの必要性を痛感いたします。  そこで、区長には新台東病院の建設にあわせて、高齢者の地域医療体制の確立をすることが、新台東病院建設の価値を2倍にも3倍にも高めることにつながるだろうと考えます。いかが取り組まれるか、お尋ねいたします。  次の新台東病院の質問は、これまでの公共施設建設の際に導入されてきた指名競争入札制度を、今回の基本設計の入札では制限つき一般競争入札制度に変えた結果、3,600万円という予定価格に対して4,300分の1に当たる8,366円という超破格値で入札されたことを尋ねます。  今回は、一流の設計会社による超格安の入札に、当初は喜ぶというよりどうしたんだろうかというのが実感でありました。業界では早速常識を逸脱した行為として問題を生み出したようで、どうやら入札した業者は業界に問題をつくった責任から、経営者の退陣、そして、基本設計の次にある実施設計業務の入札には参加しないという様子のようであります。  しかし、考えてみれば、入札行為が透明で公平で、競争原理が働いた結果、台東区にとっては財政負担が軽減されて大変にありがたいことでありましたし、何よりもこれからの成果物の基本設計が台東区にとってベストの答えを出してくれるかどうか、その仕事にかかっているのではないでしょうか。  プロ野球界ではないですが、古いしきたりのもたれ合いの業界の慣習や体質を変えようとしているのかどうかはわかりませんが、プロ野球界は選手会の行動に多くの野球ファンが支持したのであります。今回の制限つき一般競争入札制度に変えた結果については、台東区が導入した新しい制度の成果を評価することが大事なことと考えます。  今後の入札行為が発生する事業は、事業の性格ごとにそれぞれの入札制度の長所や短所を適否検討した上で、特に透明性、公平性、競争性、経済性の確保ができる制限つき一般競争入札制度についてさらに研究を図り、積極的に取り組んでいくべきと思います。  そこで、今回の制限つき一般競争入札制度を導入した評価を行い、業界で問題点となったことに臆することなく、区民にとって有益な制度の活用を図る必要があると思いますが、区長の所見を伺います。  以上で質問を終わりますが、最後に入札制度の変更に絡んでは、贈収賄疑惑で隣の荒川区長が本日辞職するとのこと。この事件での相手企業は、台東区とも長く深い取引のある関係業者でもあり、台東区長には同様の疑惑はないと信じておりますが、この事件を引き起こした業者の取り扱いは、台東区としても当然考えていると思います。このことについては、また改めて委員会で取り上げさせていただくことといたします。そして、新台東病院の早期実現に取り組んでいただけますことを要望いたしまして、区長への質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 関根議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、基本構想の取り扱いについてでございます。  まず、長期総合計画における人口についてでございます。  今回提案しております基本構想では、「にぎわい いきいき したまち台東」という将来像をお示ししております。この将来像は「にぎわいと元気のまち台東区」をイメージした私の「18万都市構想」の思いを込めたものでございます。長期総合計画につきましても、まちのにぎわいと活気を高めることを目指し、施策を総合的に展開するよう策定を進めているところでございます。  なお、施策の成果を示す指標を設定することを検討しておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、基本構想と長期総合計画、行政計画との関係についてでございます。  新たな基本構想は、今までの区政の成果をもとにして、今後目指していくべき将来像をあらわしたものでございます。長期総合計画につきましても、基本構想の議決をいただいた後、今までの審議内容や社会経済情勢の変化などを十分に踏まえて、区を挙げて早急に策定してまいりたいと存じます。  なお、行政の継続性の維持は、区民生活の安定のため大切なことでございます。  新たな長期総合計画の策定までの間は、議決をいただいております予算の適正な執行に努め、行政の継続性を維持してまいりますので、よろしくお願いいたします。  ご質問の第2は、水の環境整備についてでございます。  まず、おいしい水についてでございます。  区内には小規模な給水設備を備えた建物が多く、区といたしましては、給水設備の衛生管理の指導に努めてまいりました。区が独自でミニ浄水場の設置や水道管に活水装置を取りつけることは困難ですが、現在、東京都水道局では、水質の向上のために小規模給水施設の直結給水への切りかえ事業を推進しております。  区といたしましては、今年度から水道局との打ち合わせ会を開催しており、直結給水に切りかえるモデル施設の選定など、おいしい水の供給に向けての検討を続けております。  今後とも、東京都水道局と共同しながら、安全でおいしい水の確保に努めてまいります。  次に、蛍の里の再現についてでございます。  議員ご提案の蛍の里の再現につきましては、水質・水量などの生育環境の条件が非常に限られているほか、蛍は人工的な光を嫌う習性があるなど、困難であると聞いております。また、谷中に整備する防災広場は、災害時における応急対策の拠点機能を備える一方で、通常時には区民の憩いの場となる施設でございます。このため、都心に残された貴重な緑地を生かした広場とするなど、地域の方々の意見を聞きながら、区民に親しまれるよう整備を進めてまいります。  次に、神田川流域の水辺整備についてでございます。  現在、東京都は地域に親しめる神田川の復活を目指す神田川再生構想検討会を設置し、河川環境のあり方を検討しているところでございます。  本検討会には、本区を初め関係区が参画し、神田川の将来像を示すとともに、流域のまちづくりと一体となった水辺整備を進めるプランについても検討いたしております。  今後、都を初め関係機関と連携をとり、水辺に親しむ環境づくりを目指してまいります。  次に、山谷堀公園の親水機能の検討についてでございます。  水や緑のある空間は、都市における良好な環境を形成する上で不可欠であると認識いたしております。山谷堀公園は、汚れた堀を暗渠とし、その上部を公園として整備いたしたものでございます。現在、桜の名所として多くの人に親しまれております。  議員ご提案の山谷堀公園の親水機能につきましては、将来、公園を改修する際には、地元とも協議し、検討してまいります。  ご質問の第3は、新台東病院についてでございます。  まず、高齢者地域医療体制の確立についてでございます。  議員ご指摘のとおり、短期間で転院や退院を求められることがある現状につきましては、私も認識いたしております。  医療機関には、病院と診療所や、急性期と慢性期のようにそれぞれの機能や役割がございます。区民が病状に応じて適切な医療を受けるためには、個々の医療機関がその機能や役割を果たしながら、相互に連携していくことが重要でございます。  区では、その仕組みとして、地域完結型医療の充実を図っているところでございます。私は適切な入院治療を終えた後、住みなれた地域で1人でも多くの方が、安心して療養生活を送れることが望ましいと考えております。そのため、地域完結型医療の仕組みにおいて、新台東病院を高齢者の慢性期医療を担う重要な拠点と位置づけ、入院時はもとより、退院後も安心して療養できるよう、さまざまなサービスの担い手との連携に努め、在宅生活を支援してまいります。  次に、制限つき一般競争入札制度の導入評価についてでございます。  本来、自治体の契約は一般競争入札が原則でございますが、履行の確保などのために指名競争入札を実施している例が多いのが現状でございます。  一般競争入札制度は、多くの業者が入札に参加できる点などから、一般的に落札率が下がるなどのメリットがございます。  このたびの(仮称)新台東病院等新築工事基本設計業務委託におきましては、広く専門業者を確保するために、病院及び老人保健施設の設計実績があることなどの条件をつけた制限付一般競争入札を実施したものでございます。その結果、これまで区の入札に参加していない業者を含め、36社が入札に参加いたしました。この点は、一般競争入札制度のメリットが具体的にあらわれたと考えております。  しかしながら、入札をした36社中26社が調査基準価格を下回り、しかも、著しい低価格の応札者が出るなどの課題を残しました。今後はこれらの課題を解決しながら、一般競争入札の導入を含め、案件ごとの内容に応じて、よりよい入札制度の導入を検討してまいります。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 1番和泉浩司さん。          (1番和泉浩司さん登壇)(拍手) ◆1番(和泉浩司 さん) 区議会議員として17カ月目の自由民主党の和泉浩司でございます。私なりに議員活動にも少しはなれたと感じておりますが、不思議なことになれればなれるほど、わかればわかるほど疑問がわいてくる、そんな思いを強くしている昨今であります。  そんな私の疑問の一端を、この場をお与えをいただきました区議会自民党の先輩方に感謝をして質問させていただきます。  また、過日には、荒川区の藤澤区長が収賄容疑で逮捕されたとのマスコミ報道がありました。荒川区ではこの夏、別の容疑で助役が逮捕されており、行政の最高幹部が続けて逮捕されるという異常な事態となっております。  我が台東区では、このような不正が行われることは絶対にないと信じておりますが、荒川区長とともに逮捕された贈賄側の業者は、本区でも長く仕事を受託している事業者であります。台東区民の不信を招かないようにするためにも、速やかに毅然として対応されることを強く強く要望して、早速質問に入らせていただきます。  まず初めに、長期総合計画の策定と財政についてお伺いをいたします。  昨年の第4回定例会の一般質問において、私は基本構想の実現に向け、将来を見据えた財政の充実を図る具体的な方策を持たないと、策定そのものが無意味になってしまうのではないかと指摘をいたしました。また、厳しい財政状況を踏まえれば、将来の見通しを明確に持って等身大の区政運営を行うべきであるとの提言をいたしました。  今回提出された15年度決算を見ると、貴重な一般財源である特別区税及び特別区交付金の総額は約423億円で、14年度より9億円も減少しております。特に基本となる税収は毎年減り続けており、上昇の気配も感じられません。さらに、16年度の特別区交付金当初算定結果でも、交付額は前年度比約4億円の減となっております。  一方、国における三位一体改革は、地方6団体における国庫補助の削減リストが出たものの、十分な税源移譲は果たされるのか、国と地方という規模ではともかく、台東区にとって実際に財源が確保できるのか、極めて不透明だと思います。国庫及び都の支出金約208億円の行方はどうなるのでしょうか。区への税源移譲は果たされるのでしょうか。  さらに、18年度の清掃職員身分切りかえ時期に合わせ、都区財政調整制度における配分比率の変更を目指して、都区間の交渉が続けられているようですが、まだ具体的な見通しが立っていない状況と聞いております。  景気が大きく上向かない現状では、都区財調の交付金総額が大幅にふえることは望めず、かつてのような都の総額補てん制度や納付制度のない現行制度のもとでは、都区配分率の増変更がなければ、区の収入増は難しいもの、厳しいものと考えざるを得ません。  区長からは、前回の私の質問に対し、「今後とも変化する状況を十分に踏まえて、財政健全推進計画を着実に進めて、区民の皆様の期待にこたえられるよう努めてまいります」というご答弁をいただきました。  そこで、まず区長は現在の区の財政状況をどのように認識されているのか、昨年11月からの状況の変化も含めて、改めてお伺いをいたします。  これからの財源確保の困難さは、財政健全推進計画策定時と同様な状況であり、基金現在高が当時と比較して大幅に減少をしている点では、むしろさらに厳しい状況にあると考えます。しかしながら、新台東病院の建設・運営、リバーサイドスポーツセンターを初めとする施設の老朽化対策など、経費増に結びつく需要は確実にふえてきております。  そのような時期に策定される長期総合計画は、単に施設をいつごろ建設しますとか、新しい補助制度を創設しますという口当たりのいいものではなく、施策の優先順位、プライオリティーを明確にし、真に実行・実現可能な目標や計画を示すものでなくてはならないものと考えております。現在策定中でありますので、その内容についてはあえてお聞きはしませんが、計画実現のための財源確保にどのような手法や工夫を行っていくのかお聞かせください。  地方自治体の予算原則は単年度主義であり、当該年度の歳入をもって歳出を賄うのが大原則であります。もちろん、起債などのように後年度でも経費を負担することがかえって公平な場合があり、また、基金は積み立ての目的に充当するために積んできたものであるなど、例外があることは十分承知しております。しかし、先行きが全く不透明な現在の区の財政状況では、減債基金や財政調整基金のような基金は取り崩しを行わず、将来に備えることこそが健全財政の維持につながると考えます。  財政健全推進計画は、可能な限り基金や特別区債に頼ることのない財政構造を目標にしておりました。しかし、これまでの基金活用額の推移、すなわち台東区の貯金を取り崩した額は、財政健全推進計画の期間である平成12年度から15年度の4年間で約97億円、毎年平均で約24億円を取り崩しております。そのうち当該年度の財政運営でどうしても財源の不足を補うために必要だった財政調整基金の活用は、12年度約6億円、13年度約5億円、14年度約3億円、15年度約2億円と年々減少しているものの、毎年貯金を取り崩さなければならないという状況でありました。  そして、基金総額についても、財政健全推進計画を実施する前の平成11年度末に、全体で約333億円あった基金は平成15年度末には約235億円で、平成16年度予算で使うことが予定されている約48億円を差し引くと、残りは約187億円となります。財政調整基金も約50億円から約30億円に減っております。  一方、区の借金である特別区債の残高は、11年度末の約557億円から15年度末の約498億円へと年々減ってはおりますが、基金残高を大きく上回っている状態には変わりがありません。すなわち、この財政健全推進計画期間の4年間で、借金は約59億円を返したが、貯金はそれ以上の約100億円近くを食いつぶしてしまったということであります。  これでは平成12年度決算から台東区財政の現況の中で言い続けてきた「起債と基金に依存しない財政運営」という目標は、全く果たされておりません。まるで根本的解決策を見出せず、長引く不況にあえぐ中小企業が苦し紛れに借りかえをしているのと全く同じであるように思えてなりません。  この4年間の財政運営は、補助金カットなど、区民の協力を得ながらも行政として苦心されたのでしょうが、結果的には単なる延命措置だけのホスピス状態だったと言っても過言ではありません。この延命措置も300億円以上の基金があったからこそできたものであり、基金の底が見え始めた今では、いずれ延命措置もできなくなることは明白であります。  そこで、今後の財政運営の考え方についてお尋ねをいたします。  今回の台東区財政の現況では、これまで言い続けてきた「可能な限り起債と基金に依存しない財政運営」という財政運営の方針を示す文言が、なぜか削除されています。なぜ削除したのかはわかりませんが、基金残高が確実に減少し、底が見え始めている現在、起債と基金には絶対に依存しないといった強い姿勢を明確に打ち出して財政運営に取り組むべき時期ではないでしょうか。区長の認識とお考えをお聞かせください。  また、新年度の予算編成についても、昨年文京区で行ったように、新規事業についてはあらかじめ各事業課のプロポーザルにより決定する方法などを取り入れ、また、一般財源割り当て方式を既定経費だけではなく、新規経費まで拡大するなど、基金を取り崩さない方策を早急に行う必要があると考えます。他の区においては、既に基金の積み増しをする流れが大勢を占めてきております。区長の財政に対する基本的なお考えをお示しください。  財政的にはこのような不安点があるのは現実だと強く認識しておりますが、かといって長期総合計画が区民の皆さんにとって住みにくく、夢を持てないまちをつくるものであっては断じてなりません。今こそ英知を集め、真の最少のコストで最大の成果をなし遂げるときではないでしょうか。1つ1つを精査し、大衆迎合主義でなく、優先順位を十分考慮したこれからの新しい時代を示す、新しい長期総合計画が、財源見通しに裏づけをされた堅実で充実した内容のものとなることを期待しております。  次に、人材育成・人事管理についてお伺いをいたします。  このたび提案された新たな基本構想に基づいて、策定される長期総合計画や行政計画が、実際に区政運営において十分な成果が上げられるかどうかは、ひとえに職員がそれを実際に具現化できるかどうかにかかっております。職員が区民の期待にこたえられるだけの能力を発揮しなければ、幾ら立派な計画を策定しても、まさに絵にかいたもちになってしまうものであります。  我が会派は、平成14年第1回の定例会予算特別委員会で、官僚制による分散的、断片的、縦割り的な行政ではなく、組織間の重複をなくし、行政全体を効率化するために優先順位をつけて、戦略性のある全体最適の運営を目指さなければならないのに、実際には部分最適の運営がなされているのは、組織として職員の意識改革を徹底することができなかったのか、職員個人の能力に問題があるのかとお尋ねをいたしました。  このたび、基本構想審議会の答申の中でも、職務を行うために最適であるように不断の見直しを実施して、職員の人材の育成と能力の開発に努めるとうたっております。ところが、昨今の区政運営において、いろいろな問題点が噴出していることをかんがみますと、部分最適どころか判断の基準がまさに個人最適ではないかと疑いたくなるのであります。行政全体ではなく、職員個人にとって都合がよいか悪いかで判断しているとしか思えて仕方がありません。また、新しい取り組みを他の部署に責任転嫁をして、挑戦をする前から自己完結してしまうなど、事なかれ主義も見受けられます。その中にあっても、本当に拍手したくなるような職員もおりますが、余りにも温度差があるように感じられます。  そして、組織の場合は、それぞれ個人の能力の問題もさることながら、人事管理制度そのものも制度疲労を引き起こしているのではないかと考えざるを得ないのであります。厳しい財政状況の中で、少数精鋭で区政運営を行っていかなければならない現状において、これはまさに区政の最重要課題の1つであり、職員の育成は我が会派が繰り返し指摘してきたところであります。  本区は長い歴史を持つ多くのイベントを効果的に、効率的に実行することは極めて巧みであります。しかし、そうした前例踏襲型のイベントの実施はともかく、時代に合った新たな企画を立案、実行することは不得意のように見受けられます。多くの新規事業が既存事業の焼き直しや衣がえや他区の施策の導入にすぎないことは極めて残念であります。何も23区で初めてというばかりを要望しているわけではありません。既存の内容にとらわれず、本区にふさわしい事業をどう企画立案するのかという、柔軟で機動性に富む事業が見当たらないことなどから、政策形成能力が不足しているのではないかと思われます。  現状の研修体制は有効と思われるか、職員のモラルは十分に上がったと感じているか、政策形成能力が不足していないかなど、区長の率直な認識をお答えください。  次に、今後具体的にどのような人事管理制度を推し進めていくのかという点であります。  単に研修などで職員個別の能力を高めるだけでいいのでしょうか。仄聞したところによると、区職員の管理職試験への意識が低下し、管理職になりたがらない職員がふえている傾向だそうですが、なぜこのように職員の意識が低下してしまったのか。それは人事管理制度の硬直化が考えられます。職員の意欲を高めるために、人事管理制度の改善は急務であり、大変重要ではないでしょうか。区長のお考えをお伺いいたします。  3点目の質問をさせていただきます。  中学生までの医療費無料化について伺います。
     本年6月4日、閣議決定された少子化社会対策大綱の中で、「我が国は世界で最も少子化の進んだ国となった。合計特殊出生率は過去30年間人口を維持するのに必要な水準を下回ったまま、ほぼ一貫して下がり続け、この流れが変わる気配は見えていない。日本が子どもを産み、育てにくい社会となっている現実を、我々は直視すべきときに来ている」とあります。少子化の問題は今や最も大きな社会問題の1つと言えます。その対策の1つとして、次の質問をさせていただきます。  我が区では現在、昨年7月に制定された次世代育成支援対策推進法に基づいて、地域行動計画を策定しているところと伺っております。この地域行動計画策定のために、昨年12月に実施した次世代育成に関するニーズ調査の結果を拝見すると、小学生の医療費も無料化してほしいという要望が最も高くなっております。成長期の児童を対象にした医療費助成制度は、単なる経済的支援ではなく、子どもの病気の早期発見・治療を可能にする子育ての安心保障制度であると言えます。  今後さらに、「安心して子育てのできる台東区」を目指し、次代を担う子どもたちが健やかに生まれ、育つ環境を整備するためには、乳幼児医療費助成制度の拡充を図っていくべきであると、私は考えます。  まず初めに、対象とする児童の範囲であります。現行の小学校就学前の乳幼児から義務教育を終了する中学3年生までに大きく拡大し、文字どおり「子育てするなら台東区」の実現を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。中学3年生は15歳になる年齢でもあり、小児医療が対象とする範囲でもあります。  休日こどもクリニックなど、本区の小児医療体制の整備とあわせ、子育て家庭の医療費を保証することは、子どもの医療に関する不安を取り除き、「安心して子育てのできる台東区」を一層前進させるものと考えます。区長のお考えをお聞かせください。  次に、実施時期ですが、区長は本年第1回定例会において、我が会派の寺井議員の質問に対して、平成17年度を目標として実施を明言されております。この制度は一日も早い実施が望まれるものであります。実施に当たっては、医療機関を初め関係機関への協力依頼や区民への周知期間など、考慮しなければならない課題があるものと思われますが、具体的な日程を明言されることは、今、子育てに頑張っておられる保護者の皆様に希望を与えるものと確信いたします。現時点での実施時期の見通しについてお考えをお聞かせください。  次に、この制度拡充を行うための財源について伺います。  中学3年生まで対象年齢を引き上げた場合、概算で2億4,000万円程度が必要と思われます。そのため、この財源として事務事業評価を1つ1つ検証し、制度を見直して、すべての子育て家庭を対象とした施策となるこの医療費助成制度の拡充に活用すべきであると考えますが、いかがでしょうか。  本区の制度は、平成10年において所得制限を廃止し、同一年齢ではすべての乳幼児を対象として実施されております。健康維持、管理すること、傷病への予防はすべての子どもにかかわることであります。こうした医療費助成制度の性格から、現行制度どおり所得制限を設けず実施すべきであると考えます。  また、学齢児童に対象年齢を引き上げるに至っては、席を同じくする児童・生徒が同じ施策を受けられるように、教育的配慮からもすべての児童・生徒を対象として実施されるべきではないかと考えます。区長のお考えをお聞かせください。  通院・入院とも対象とし、所得制限を設けず実施されている医療費助成制度が、中学校3年生までにさらに対象年齢が引き上げられ、大幅な拡充がなされますと、23区では初めてとなることはもちろん、一部の町村部を除き、全国でも初めての制度となります。とりわけ大都市部の制度として画期的な施策であり、「子育てするなら台東区」という熱いメッセージを全国に発信することになるものと確信いたします。  そして、次世代の育成に向けて、より効果がある事業へ転換を図ることが常に求められている現在、この医療費助成制度の拡充は子育てに対する非常に効果的な経済的、心理的支援になるものと考えます。ぜひ来年度から実施していただきたいと思います。区長の熱意あるご答弁をお願いいたします。  土曜授業の復活についてお伺いをいたします。  土曜授業の復活につきましては、第2回定例会の一般質問において、我が会派からも質問をさせていただいたところ、教育長はその答弁の中で、遅くとも平成18年度中には土曜スクールに教員を正規の勤務として参加させる旨の発言をされました。  去る8月30日の教育委員会では、平成17年度から小学校で使用する教科書の採択を行ったと伺っております。その算数の1年生から6年生までの教科書を見ますと、発展的内容を扱った箇所は71カ所にも上り、現在の学習指導要領に示されていない内容、つまり、現在使用している教科書には記載されていない内容が54カ所もふえております。その内容の例を挙げると、帯分数の掛け算とか角柱の体積を求める式など、以前ではごく当たり前に指導されてきた内容ばかりであります。  文部科学省は、この内容はすべての子どもが一律に学ぶ必要がなく、学校は状況に応じてこの部分を教えてもよいし、教えなくてもよいと言っております。本当にこんなにたくさんの内容を、また、以前はだれにでも教えていた内容を教えなくてもよいのでしょうか。塾に通っている子どものみが、こうした発展的な学習を学び、学校の学習だけで勉強している子どもは、教科書に載っている内容を学ばずに終わるという結果にならないでしょうか。これまで、我が会派が繰り返し述べてきた経済格差が、学力格差につながるという危惧がさらに大きな現実となってあらわれてきております。  教育長は、18年度から教員を正規の勤務として土曜スクールに参加させたいと答弁されましたが、このような状況を踏まえると、18年度では遅くはないでしょうか。  都立高校の一部では、土曜日に教員が補習授業を行っていると仄聞いたしましたが、それは事実でしょうか。もし、それが事実であるとするならば、その教員はボランティアで行っているのでしょうか。それとも、正規の勤務で行っているのでしょうか。もし、正規の勤務であるならば、なぜ都立高校の教員だけが可能なのでしょうか。至急、都立高校における補習の実態を調査し、17年度から正規の教員による土曜スクールを行うべきと考えます。  条例や規則の改正には時間がかかるというのであれば、特例措置のような緊急対応も考えられるのではないでしょうか。また、第2回定例会で答弁された東京都に対する積極的な働きかけの内容を具体的にお示しください。我が会派は、都議会自民党と連携し、いかなる行動をも、とるつもりでおります。積極的に教育委員会を支援してまいりますので、教育長の熱意あるご答弁を期待いたします。  続いて、新台東病院整備早期実現に向けて質問をさせていただきます。  本年6月、新台東病院等整備基本計画が取りまとめられました。私も保健福祉委員会に所属し、当初からこのビッグプロジェクトにかかわらせていただいたことは、新人区議会議員として光栄かつ誇りでもあります。  23区としては初めての病院整備でありますので、大変ハードルの高いものと考えておりましたが、区長のご英断のもと、担当者不断の努力の大いなる成果として、このようにおまとめをいただきましたことに、まず心より敬意を表するところであります。  公平性・透明性に最善の注意を払った運営事業者選定、また、広く区民を初め有識者、関係者等の参加のもとに、新台東病院等整備推進協議会が組織されたことなど、その整備手法は最大限評価されるべきものと考えます。  内容を拝見いたしますと、地域完結型の保健医療システムの構築や介護老人保健施設の充実等。また、子育て世帯も安心できる小児医療の経験を十分に積んだ総合医による365日準夜間帯、小児初期救急診療など。ソフト面でもハード面においても大変期待されるところであります。  このようにすばらしい計画の病院でありますので、区民の皆さんは大いに期待をし、待ち望んでおります。  ところが、開設予定をお知らせすると、一様にすべての方々が落胆し、余りの期間の長さにほとんどの方から疑問の声を投げかけられます。当初、委員会で報告のあった開設時期よりも大幅に延長されたわけでありますが、その延長理由が、併設される介護老人保健施設の補助金の関係であると記憶をしております。  そこで区長にお伺いをいたします。もし、概算6億円とも言われている補助金を受けずに、区単独で整備した場合、開設時期は当初の予定どおり1年以上前倒しになるのでしょうか。前段で財政健全、財政改革について質問をさせていただいていることと整合性がないと指摘されるかもしれませんが、補助金分については開設時期を前倒しすることにより、統合が決まっている老人保健施設千束の赤字補てん分や、期間の短縮による経費の削減などにより、多くの部分が相殺されるものと考えられます。  さらに、実施設計コスト、建設コストなどの見直しで約6億円の吸収は、決して不可能な数字ではないと考えます。さらに言えば、三位一体改革の影響で、18年度にはこの補助金そのものが廃止される可能性があると思います。区長のお考えはいかがでしょうか。  また、建設着工から開設までの期間について伺います。この期間を32カ月としておりますが、その根拠をお示しください。いかに公共工事とはいえ、余りに余裕を持ち過ぎた計画と言えるのではないでしょうか。  現在、独立行政法人である東京大学付属病院では、入院棟のすぐ隣に中央診療棟の建設工事が行われております。この工事は土曜日も休工せずに、急ピッチで進められているところであります。もちろん近隣の皆さんの同意がなければかないませんが、土曜工事を行った場合、単純に工期は7分の1短縮されます。また、永寿総合病院の建設期間は約20カ月と伺っております。新台東病院整備計画の32カ月について、妥当であるのか、はたまたかかり過ぎるのか、区長のお考えをお示しください。  病院の選択も寿命の1つの要素と言われております。インフォームドコンセントがしっかりとされ、納得がいく治療や手厚い看護が受けられた場合、万一不幸にも命を落とすことになったとしても、残された家族にとっては、大きな悲しみの中にも一筋の救いがあります。  しかし、医師や看護師の姿をめったに見受けることができず、病院でありながら、入院患者のだれ一人点滴をしている患者もいない。さらに病室の電気料金まで請求され、患者が食事をしている横を、平気で亡くなった方を搬送する。そんな老人病院が存在していることも現実であります。  転院させたくても受け入れ先が見つからずに、どうしようもなく入院を続けているうちに、その生涯を終えてしまう。本人はもちろんのこと、家族にとってもこれほど悲痛なことはありません。まさに痛恨の極みであります。不幸にもこの4カ月のうちに、その両方の経験をした家族の無念さを、この気持ちをご理解いただけますか。  新台東病院の早期実現で、どれほどの人の命や人の心を救えるかわかりません。しかし、間違ってもこの場合、費用対効果を口にしてはならないと考えます。また、さきに申し上げたとおり、繰り返しとなりますが、補助金分の吸収はクリアできるものと考えます。  単に基準や経験にとらわれることなく、建設工事の入札条件やすべてにおいてスピードを最重要課題として取り組んでいただきたいと、強く強く要望いたします。  区長の大英断でスタートしたこの事業は、区民のだれもが期待していることをご承知おきとは思います。この待ち望んでいる区民1人1人の顔を思い浮かべてください。いま一度開設時期に関してお考えいただきたいと思います。区長の心あるご答弁をお願いいたします。  最後に、清川地区まちづくりについて伺います。  昨今、マスメディアにおいて、至るところで好況感が報じられております。しかし、これは一部大企業がリストラに名をかりたレイオフや下請コスト見直しなどにより、収益が回復したことが一因とも言われております。むしろ中小・零細企業がほとんどである本区におきましては、現実的にはさらに厳しい状態が続いていると思います。  特に北部清川地区においては、地場産業の皮革関連業種が貿易問題や外国人不法就労者の問題等により、大変厳しい状況下に置かれています。まちに「貸家」「貸店舗」看板が目立ち、まちが活気を失っているのが現実であります。  今や単に地場産業の単発的な産業助成ではなく、抜本的な対策が必要となっております。  前回の定例会一般質問において、我が会派の小菅議員の銀座線延伸についての質問について、区長から「さまざまな課題もあるが、荒川区とも連携をとって臨む」との答弁をいただきました。  地域活性化のためには、交通インフラの整備は必要不可欠であります。この問題を核として、北部小包集中局跡地利用など、清川地区にグランドデザインをもって協議できる機関を、官民一体となって整備することが急務と思われます。上野・浅草にあるような清川地区まちづくり推進協議会の早期実現を強く望んでおります。  隣の馬道地区と合わせると、区内人口の約3分の1が集中する地域の元気は、台東区の元気となると確信しております。区長のお考えをお聞かせください。  まだまだ伺いたいことがたくさんあります。例えば次世代育成支援に関しても、発達障害児に対する支援や妊娠中のサポート、そして、不妊に悩む夫婦への支援などがありますが、時間の関係で以上6項目の質問をさせていただきました。  前回の質問の折、お願いをいたしましたが、区民のどなたがお聞きになっても、すぐにおわかりをいただける日常用語をもってご答弁をいただきたいと思います。  今後、私自身も研修・研さんに励み、区長を初めとする行政の皆さんとともに、区民のための区政発展に努力してまいります。区長・教育長の誠意あるお答えを切望して終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 和泉議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、長期総合計画の策定と財政についてでございます。  政府は、景気は堅調に回復しているとの判断を示しておりますが、本区における中小企業をめぐる状況は、いまだ厳しいものがございます。また、議員ご指摘のとおり、三位一体の改革など、地方財政を取り巻く環境は大きな変革期を迎えており、区の財政も特別区税の増収が見込めないなど、依然として予断を許さない状況にあると認識いたしております。  こうした中で、区は財政健全推進計画を着実に実行してまいりました。今後、区の経営に関する新たな計画を策定し、さらなる歳入の確保と歳出の削減に努めてまいります。  区の財政運営の基本は、歳入に見合った歳出を行うことにございます。可能な限り起債や基金に頼らない財政運営に努めながらも、新台東病院の建設などに当たっては、起債を適切かつ有効に活用してまいります。また、基金につきましては、現在の水準に配慮しつつ、計画的かつ慎重に活用してまいります。  長期総合計画の着実な実現のため、健全な財政運営に努めるとともに、より効果的・効率的な行政サービスの提供が行える行政経営を目指してまいります。  ご質問の第2は、人材育成・人事管理についてでございます。  私は、区民のニーズに適時・的確に対応していくためには、人材育成が不可欠の重要課題であると考えております。  本区におきましては、従来から台東区人材育成基本方針に基づき、職員の資質や能力の向上を図ってまいりました。しかしながら、社会状況の急激な変化や価値観の多様化に対応するためには、一層職員の政策形成能力の向上や意識改革が必要であると考えております。  そこで、私は政策形成能力の向上を目指した研修を充実させるとともに、事あるごとに職員にコスト意識やスピード感覚の醸成について訴え、さまざまな課題への対応など、実践を通じて指導し、育成に努めているところでございます。  今年度は、新規事業として民間企業社員との合同の宿泊研修や、民間企業の業務を体験する研修を実施いたします。これらを通じて、サービスの実態や経営感覚を学ばせ、職員の意識改革をさらに推進してまいりたいと考えております。  また、従来から管理職及び係長には目標管理制度を導入し、その成果を昇任・昇給に反映させ、特に管理職には業績評価の結果を勤勉手当に反映させております。  事業提案制度では、提案した事業を担当する職場に異動できる仕組みを取り入れ、また、優秀な事業提案に対しては積極的に表彰をし、公表することにより職員の士気を高めているところでございます。  さらに、組織を挙げて功績顕著な場合には組織全体を、また、職務に精励し、他の模範となる職員にはその功績を顕彰しております。  今後も、意欲や業績が報われる制度を充実し、職員が一丸となって基本構想実現に向けて取り組む組織風土を、築き上げてまいりたいと存じます。  ご質問の第3は、中学生までの医療費無料化についてでございます。  私は区長就任以来、これからの台東区の担い手である子どもたちの健やかな成長を願い、「安心して子育てのできる台東区」を目指して精いっぱい努力してまいりました。とりわけ、乳幼児医療費助成制度は、これからの子育て支援施策の中でも重要な施策と考えております。  そのため、これまでの区民の皆様のご要望や本議会における議論などを踏まえ、現行の乳幼児からすべての小・中学校の児童・生徒までに対象を大幅に拡大し、通院、入院とも無料化を図ることといたしました。  この拡充は23区はもとより、全国の都市部では初めてとなるものであり、子育て支援の先駆けとなるものでございます。私は「子育てするなら台東区」と言われる地域社会の実現に向け、一層努力してまいりたいと決意を新たにしております。  現在考えております拡充の内容について、まず対象となる児童の範囲でございます。私はこの医療費助成制度は、単なる経済的負担の軽減にとどまらず、子どもの体調が心配なときに、いつでも医者に連れていけるという子育ての安心を保証するものと考えております。  そこで、対象者につきましては、義務教育を修了する中学校3年生まで大幅に引き上げ、「安心して子育てのできる台東区」の実現に向け事業を拡充してまいります。  次に、実施時期につきましては、来年4月から実施してまいりたいと考えております。現在、東京都及び医師会などとの調整を進めておりますが、現行制度同様、利用しやすい制度として拡充してまいります。  次に、必要な財源といたしましては、子育て支援手当を今年度をもって廃止し、その財源を有効に活用し、医療費助成事業の拡大に充てていく考えでございます。また、現行制度同様、所得制限は設けず、すべての児童・生徒を対象として拡充してまいりたいと存じます。  実施に当たりましては、次回第4回定例会に、関係条例の改正案及び準備経費を計上した補正予算案の提出を予定いたしております。  ご質問の第5は、新台東病院整備早期実現についてであります。  まず、老人保健施設の補助金につきましては、区の貴重な財源として最大限に活用し、区の負担を軽減してまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。  次に、建設工期の算定につきましては、東京都財務局の建設工期算定標準に基づき、想定規模などから主要な構成工事の所要期間をそれぞれ算出いたしますと27カ月となり、それに外構工事の1カ月を加え、28カ月と算定したものでございます。  また、竣工から開設までの準備期間を4カ月程度と想定し、これらの期間を合わせて32カ月としたものでございます。  着工から開設までの期間につきましては、現在進めております基本設計の中で、現地の実情も踏まえ十分検討してまいります。  私は、新台東病院等整備につきましては、最小のコストで最大の成果を求めながら、できる限り早い時期の開設を目指しております。今後とも、さまざまな創意工夫を図り、区民の期待にこたえられるよう全力を尽してまいります。  ご質問の第6は、清川地区まちづくりについてでございます。  議員ご指摘のように、清川地区におきましては、地場産業の振興や公共交通の充実など、解決しなければならない課題がございます。区では、このほど都市計画マスタープランの策定に着手したところでございます。  今後は、ワークショップや説明会などを開催し、住民の皆様の積極的な参加を得ながら、地域別のプランの策定を進めてまいります。  清川地区につきましても、地域の皆様の機運の高まりを受けて、まちづくり協議会などの結成に向け積極的な支援を行うなど、個性を生かしたまちづくりを進めてまいります。  教育問題については、教育長がお答えいたします。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 教育長、隈部孟さん。          (教育長隈部 孟さん登壇) ◎教育長(隈部孟 さん) 和泉議員の土曜授業復活についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、都立高校教員の土曜日の勤務についてでございますが、本年度4月より一部の都立高校におきまして、教員が土曜日に4時間の勤務を行い、補習授業等を実施しておりました。教員の勤務の扱いにつきましては、教員の勤務条例や規則等を変えずに行った特例の措置でございます。2学期から都立高校では、この特例の措置による試行を拡大いたしております。  教員の勤務条例や勤務規則等の改正には、時間がかかるものと考えられます。そこで、保護者・地域の要望に早急にこたえるため、本区におきましても、当面、特例措置を実施できるよう東京都教育委員会へ積極的に働きかけ、議員ご指摘のとおり、17年度からは土曜スクールに正規の勤務として教員を参加させられるよう、全力で取り組んでまいります。  また、東京都に伝えていただきたい内容でございますが、具体的には東京都において、教員の勤務条例や規則等を改正していただきたいこと、早急に法令の整備が不可能な場合、土曜日に勤務が可能となるような特例措置を講じていただきたいことなどでございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 22番青柳雅之さん。          (22番青柳雅之さん登壇)(拍手) ◆22番(青柳雅之 さん) 区民クラブの青柳雅之でございます。  平成16年第3回定例会におきまして、大きく3点にわたりまして区長に質問させていただきます。  池袋駅を抱える豊島区では、放置自転車対策の切り札として、鉄道事業者に対し新税を課すことを発表し、先日総務省が同意をしました。今後の協議の行く末はまだまだ不透明ですが、注目すべき点は駅周辺の放置自転車やポイ捨て等による環境悪化に対し、鉄道事業者側の一定の責任を明らかにした点で、今までは地元自治体や周辺住民、おのおのの商店や民間事業者がやむなく行ってきた駅周辺の清掃や整備に対し、一定の関与が義務づけられた点です。  「やむなく」と表現しましたが、自分の家の玄関先や店の前をきれいに保つのは当たり前のことで、大勢の来客のある商店や事業者は、その周辺にまで気配りをすることなど、当然のことでございます。  国鉄から民間企業になった後も、自分の敷地内だけからは自転車を排除し、周辺に放置される自転車には他人事と決め込んでいたJRも、今後はこの問題について大きな役割を果たさなくてはならなくなったわけです。また、営団という立場から脱却をして、本社を本区の上野に構える大企業となった東京メトロに対しては、今まで以上の大きな大きな期待を寄せざるを得ません。  そんな流れの中で、今まで本区が中心になってきた駐輪場の整備・運営、そして、指導・撤去などの放置自転車対策を、鉄道事業者の参画を得て、今後どのように行っていくのか、質問いたします。  また、周辺の清掃を中心とした環境美化についても、しっかりと役割を分担したり協力したりしながら、鉄道事業者の参画を得て、今まで以上の効果を上げていくべきと思いますが、区長の考えをお聞かせください。  大江戸線の開業に続き、待望のつくばエクスプレスの開通も、長い長い工事期間を思えば、まさに秒読み段階に入ったと言える時期に来ました。先週の決算特別委員会の視察で、完成間近の浅草駅をこの目で見てまいりました。元気なかけ声とともに工事している皆様を初め、新線、新駅の開設にご尽力いただいた各方面の皆様のご努力をたたえるとともに、完成に向けより一層の安全をお祈りいたすところでございます。
     本区に新設される浅草駅、そして、新御徒町両駅について、ハード面の整備は目途がついてまいりました。今後は、両新駅の開設を地元周辺の活性化にどのようにリンクさせていくのかが重要な案件となってきます。  商店連合会を中心とした開業イベント等の準備は着々と進んでいるようでございますが、本区としての今後の見通しについて伺います。  猛暑というより酷暑というにぴったりだったことしの夏も、ここ数日間影を潜め、朝晩は過ごしやすくなり、深い眠りを、そして、さわやかな目覚め、スポーツ、芸術、そして、食欲増進の実りの季節、秋がやってまいりました。  季節の変わり目は体調も崩しやすく、健康への配慮も重要なときであります。BSEやSARS、鳥インフルエンザといった恐ろしいウイルスのニュースで昨年の今ごろは騒然となっておりました。  一方で、この時期から流行する身近なウイルスの代表と言えば、ヒトインフルエンザがあります。ワクチンの予防接種により感染が防げることから、身近なかかりつけ医や総合病院などでは、もう予約が始まっております。高齢者の皆様には、費用助成の制度が整い、小さな負担でこの病気を予防することができるようになりました。  一方で、子どもたちには小・中学校での集団接種がさまざまな協議の中で廃止になってしまいました。しかし、乳幼児から小学校低学年の間には、依然としてニーズが高く、その家族をも接種を受ける必要があることから、子育て世代の家計の、この時期の大きな負担となっております。  先ほどの和泉議員の質問に対する答弁の中で、医療費の負担は中学生までなくなることが、来年からなるようになりました。これを機会に、予防により医療費の区負担が軽減されることも視野に入れ、高齢者の皆さんのみならず、子どもたちへの補助制度も創設すべきと考えます。前向きなご答弁をお願いいたします。  「広報たいとう」や関係のホームページには、健康都市宣言をした本区にふさわしい内科や歯科を初めとする各種健康診断の情報がメジロ押しです。しかし、健康のありがたさは、それを失って初めて知るわけで、この制度を一度も利用したことのない区民の割合はまだまだ高く、そして、いざ申し込もうと思ったときには、期間や人数が限定されていて、期待どおりの受診が受けられない場合もあります。  他区においては、該当者全員に通知を出したり、期間に制限を設けないなどの工夫をこらし、区民のニーズに的確にこたえ成果をあげた成功例もあります。本区においても再検討が必要と考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  そして、中でも都心の働く女性を中心に発症率が高まる乳がんに関しては、マンモグラフィーという新しい検査方法が注目を集めております。この方法では、従来発見できなかった小さながん細胞までも見逃すことなく、早期発見、早期治療による乳がんの完治が期待できます。  しかし、残念なことに、受診可能な施設が少なく、区が行う検査も抽せんになるほどニーズがふえております。今後は定員を設けないなどの方法で、受診機会をふやすべきと考えますが、区長の考えを伺います。  3つ目の質問でございます。お隣荒川区では、荒川区長の逮捕、辞職のニュースは、北島選手の金メダルで盛り上がる荒川区民を落胆させたばかりではなく、本区にて区政に携わる我々議員にも大きなショックと怒りの念を思い起こさせました。吉住区長に限っては、こんなことはあり得ないと確信をしつつも、本区の管理委託について質問をさせていただきま す。  まずは、ホストコンピューターの管理委託についてでございます。  本区のシステム系のホストコンピューターは、メーンフレームという方式が運用から開始され、現在まで使用をされています。一方でコンピューターの技術革新に伴い、一般のパーソナルコンピューターの性能も格段にアップし、行政情報を管理する大型のシステムに、ウィンドウズやユニックスといったオープン系の技術を採用する自治体が増加しつつあります。  本年8月に行われたシンクタンクの調査によりますと、全国自治体の51.4%が全面的にオープン系に移行すべきとの回答を得ました。残りの自治体でも分野に応じて移行が必要としており、移行は不要との回答をした自治体は皆無であったようでございます。  メーンフレーム方式では制約が多く、それぞれ独自の開発経費が計上されるなどのコスト面でのデメリットがあります。ほぼ随意契約でなされていた委託に関しても、複数の業者との比較や入札ができるなどのメリットが大きいことが知られております。  オープン系に移行済みの自治体の中では、68.8%のコスト減の実績を上げた例もあり、本区も速やかにこのオープン系への移行を済ませ、より効果的なシステム管理を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。  また、最後に、今回の荒川区での事件を踏まえ、現場で働く皆さんのミスや不祥事といった部分ではなく、会社のトップが起こした贈収賄の逮捕等の不祥事を起こした委託業者に対する区の基本的な対応についてを伺いまして、私の質問を終えさせていただきます。吉住区長の前向きな答弁をお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 青柳議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、駅周辺の環境改善についてでございます。  まず、駅周辺における自転車対策に係る鉄道事業者への働きかけについてでございます。  区では、日ごろから鉄道事業者の参画を得て、放置防止の指導キャンペーンを実施するなど、関係者との連携を図りながら、放置自転車対策を進めております。その中で、自転車などの駅前放置は減少傾向にあるものの、放置防止に向けた取り組みの改善を図っていくことが重要であると認識いたしております。  今後は、鉄道事業者との円滑な仕組みづくりを構築し、放置防止の向上を図ってまいります。  次に、駅周辺における環境美化についてでございます。  本区には、年間3,000万人の観光客が訪れており、まちの玄関口である駅周辺の美化は、観光行政を進める上でも大変重要な課題でございます。  区では、清潔で美しいまちとして皆様をお迎えするため、ポイ捨て行為の防止に関する条例を制定し、「大江戸清掃隊」や「まちの美化里親制度」を創設するなど、環境美化に取り組んでまいりました。しかしながら、議員ご指摘のとおり、駅周辺や繁華街においては、たばこのポイ捨てなどによる汚れが後を絶ちません。  そこで、区といたしましては、歩きたばこやポイ捨て禁止のキャンペーンの展開、JRも参加した大江戸清掃隊によるごみゼロキャンペーンの実施など、駅周辺の美化に取り組んでいるところでございます。  今後は、鉄道事業者に一層の協力を求めるとともに、地域商店街、道路管理者などとも十分に協議しながら、駅周辺の美化推進に向け、積極的に取り組んでまいります。  次に、つくばエクスプレスの新駅開設についてでございます。  つくばエクスプレスにつきましては、来年に開通が予定され、区内には浅草駅と新御徒町駅の2つの駅が誕生いたします。当初、常磐新線として計画されてから、長年の歳月を要した区民待望の事業であり、「にぎわいと元気のまち 台東区」を実現するための好機でもあります。この新駅開設を最大限に活用し、今後のまちづくりに連動させていくことが重要でございます。  私は、この新駅開設を起爆剤として、今後予定される開業イベントや今後のまちづくりに向けて、区民の方々と連携しながら、区として積極的に支援してまいります。  ご質問の第2は、健康の増進についてでございます。  まず、インフルエンザ予防接種の費用助成についてでございます。  現在、インフルエンザの予防接種は、予防接種法に基づき、罹患すると重症化し、死亡することもある高齢者を対象に、23区共通で広域的に一定の自己負担のもとで実施いたしております。法定外の予防接種の費用助成につきましては、健康被害への補償や契約医療機関の問題など、区の単独事業として実施するには、解決すべき課題が多くございますので、今後の研究課題とさせていただきます。  インフルエンザは、毎年冬季に多くの患者が発生し、区といたしましても、その予防対策は重要な課題であると考えております。今後も迅速で的確なインフルエンザ情報の提供や手洗い、うがいなどの指導に一層努めてまいります。  次に、各種健康診断の実施方法についてでございます。  健康診断は、区民の方々に自分自身の健康状態を把握し、健康づくりに取り組むきっかけにしていただくための方策として、大変重要であると認識いたしております。  健診体制につきましては、これまでも区民の方々にわかりやすく、利用しやすい健診となるよう、基本健診受診期間の見直し等、さまざまな角度から工夫を重ねてまいりました。  対象年齢の方全員に通知することは、既に職場健診などを受診した方や治療中の方も多く含まれ、また、受診期間を特定しない場合には、受診し忘れてしまうことも懸念されます。これらのことから、今後の受診動向などを見ながら、より効果的で区民がより受診しやすい健診体制について検討してまいります。  次に、マンモグラフィーによる乳がん検診の拡大についてでございます。  マンモグラフィーによる乳がん検診は、乳がんの早期発見に有効であるとされたことから、区でも早速今年度から区外の検診機関に委託して導入を開始したところでございます。  しかしながら、検診医療機関の受け入れ態勢がまだ不十分なため、現在のところは抽せんで受診者を決定している状況でございます。  専門医の養成や医療機関の整備も徐々に進んでいると聞いておりますので、今後は受診者数の拡大を図るとともに、区内の身近な検診機関でも受診していただけるよう、関係機関と連携を図りながら、実施に向けて努めてまいりたいと存じます。  ご質問の第3は、管理委託についてでございます。  まず、ホストコンピューターについてでございます。  本区のホストコンピューターによる住民情報システムは、区民サービスを支える重要な基本システムでございます。IT化の進展や電子自治体の構築が求められる中、本区の住民情報システムのあり方を検討するため、庁内に関係各課による検討委員会を設置いたしました。この中で、ホストコンピューターやオープン系などのシステムの構成、アウトソーシングの範囲や方法、調達方法などについて、費用対効果を踏まえ、検討を進めているところでございます。  区といたしましては、効率的な情報システムの管理運営を図るよう、今後とも努めてまいります。  次に、不祥事を起こした登録業者への対応についてでございます。  これまでも登録業者に違法行為があった場合や、契約の履行に際し著しく適正を欠く行為があったと認められる場合には、指名停止委員会を設置し、内容により一定期間当該登録業者を指名競争入札の対象から除外しております。  また、指名停止に至らない場合につきましても、口頭、あるいは文書で厳重に注意を促すなど、厳格な対応をしているところでございます。  今後とも、区といたしまして厳正に対応してまいります。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 以上で一般質問は終了いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(伊藤萬太郎 さん) おはかりいたします。  「教育委員会委員の任命に伴う区議会の同意方について」を本日の追加日程第1として追加し、議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊藤萬太郎 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件につきましては、本日の追加日程第1として追加し、議題とすることに決定いたしました。  追加日程第1を議題といたします。          (磯田事務局長朗読) △追加日程第1 教育委員会委員の任命に伴う区議会の同意方について ○議長(伊藤萬太郎 さん) 本件について、提案理由の説明を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) ただいま上程されました教育委員会委員の任命に伴う区議会の同意方につきまして、ご説明を申し上げます。  本案は、本年10月7日をもちまして、教育委員会委員の任期が満了いたします、宇田川濱江氏及び隈部孟氏、並びに同じく10月7日をもちまして辞職の申し出がございました石井敏雄氏の後任者の任命について、議会の同意を得ようとするものでございます。  宇田川氏は、平成12年10月に教育委員会委員に任命されて以来、本区の教育行政進展のために尽力されてまいりました。私は宇田川氏のご功績と教育に対する熱意を高く評価し、引き続き教育委員会委員に任命いたしたいと存じます。  石井敏雄氏は、平成元年12月以来、15年にわたり本区の教育行政進展のために多大な功績を上げられました。私は石井氏の勇退のご意志を尊重するとともに、長年にわたるご尽力に対し心から感謝申し上げる次第でございます。  私は石井氏の後任者として、新たに前田烈氏を教育委員会委員に任命いたしたいと存じます。前田氏は、飾区立青戸中学校校長、千代田区教育委員会指導室長、台東区立忍岡中学校校長などを歴任されるとともに、東京都中学校校長会会長を務められるなど、教育者として輝かしい業績を上げられております。  私は前田氏の教育者としての豊富な経験を高く評価し、教育委員会委員に任命いたしたいと存じます。  また、8年の間、教育委員会委員、そして、同時に教育長として多大な功績を上げられました隈部氏の後任者として、新たに野田沢忠治君を任命いたしたいと存じます。野田沢君は昭和42年本区に奉職し、教育委員会社会教育体育課長以降、議会事務局長、区民部長などを歴任し、現在総務部長を務めております。私は野田沢君の卓越した行政能力と教育文化に対する熱意と識見を高く評価し、教育委員会委員に任命いたしたいと存じます。  以上、私は宇田川氏及び前田氏、野田沢君が本区の教育行政を担う最適任者であると考え、教育委員会委員に任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定に基づき提案した次第でございます。本案につきましては、何とぞご同意を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(伊藤萬太郎 さん) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。  おはかりいたします。  本件につきましては、提案どおり同意することに決定いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊藤萬太郎 さん) ご異議ないと認めます。よって、本件については、提案どおり同意することに決定いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(伊藤萬太郎 さん) ここで、このたび教育委員会教育委員を退任されます隈部孟さんからあいさつがあります。  隈部孟さん。          (教育長隈部 孟さん登壇)(拍手) ◎教育長(隈部孟 さん) 教育長退任のごあいさつをさせていただく機会を与えていただき、心より感謝申し上げます。  思えば昭和29年より公務員生活を送り、本年で50年目に当たります。半世紀にわたり勤務できましたことは、それぞれの場面、局面でご援助いただきました方々に改めて感謝をいたしておるところでございます。  この50年を振り返りますと、昭和32年に福祉事務所のケースワーカーとなり、以来20年以上を福祉の現場で働かせていただきました。このことが公務員生活を送る上での原点になったと思います。それは、福祉サービスの対象者と向き合ったとき、サービスの担い手と一段上に自分を置いて接したら、決して対象者は心を開かない、常に目線を同じにしなければ円滑なコミュニケーションは生まれてこないことを悟ったことです。その後の職場で困難に遭遇したときは、この時点に回帰することを心がけておりました。このことから、自分は福祉プロパーであることを常に潜在意識として持ち、職務に当たってきたような気がいたしております。  管理職としては、企画課、職員課、議会事務局長を歴任させていただきましたが、やはり一番思い出深い職場は議会事務局でした。時あたかも中央政界では政界再編成の嵐が吹き荒れ、新党さきがけ、新生党など、保守新党が誕生し、台東区議会もこの影響をもろに受けた時期でもありました。事務局も右往左往しましたが、議員の先生方の見識と節度ある行動のおかげでおさまるところにおさまり、胸をなでおろしたことを思い出します。  また、少し自慢めいたことを言わせていただければ、議会と執行機関が真に車の両輪となることは、そこに議論がなければ成立しないということを議会、理事者が認識し合うのに少しはお役に立ったのではないかと思っております。このおかげで多くの議員の先生方とご交誼をいただき、その後の教育長を含め10年余りの管理職としての職務を遂行する上で、大きな財産となりました。  全員の議員の先生方からのご同意はいただけませんでしたが、8年間教育長を務めさせていただきました。この8年間は小・中学校の適正規模・適正配置に明け暮れ、かつその影響を引きずった日々であったような気がいたしております。結果として、小学校7校を3校に、中学校6校を3校に統合いたしました。それぞれの学校は地域に密着し、歴史も100年を超える学校もあり、統合への作業は命を削る仕事になると、実施するに当たり当時の教育委員、管理職には話をいたしましたが、結果は携わった職員だけではなく、統合校に関係された議員の先生方、同窓会の方々、そして、PTAの皆様にも同じような思いをさせてしまったのではないかと申しわけない思いでいっぱいでございます。  しかし、私自身はある一定の規模を持つ学校、学級の中で小学校低学年から切磋琢磨して育てていかないと、社会人としての自立心、人間としての規範意識は育たないとの考えで統合を進めてまいりました。このことは多くの議員の方々にもご理解をいただき、ご支援をいただいたものと自負いたしております。  最後になりますが、議員の皆様に2つのお願いがあります。1つは、10月27日、生涯学習センターにおきまして、「下町台東の美しい心づくり運動」の一環として、心の教育推進区民大会を開催いたします。児童・生徒に公共心、規範意識を身につけさせるには、台東区に活力を生み出す重要な手法の1つと考えます。先生方全員のご参加をいただき、大会を盛り上げていただければと思います。  2つ目は、先ほどの和泉議員の答弁とも関連させていただきますが、小・中学校教師の土曜スクールへの勤務を特例措置で認め、それを将来的には勤務条例を改正し、正規の勤務とすることを要望する、東京都知事並びに東京都教育委員会への意見書提出でございます。  学校週5日制実施により、地域によっては所得格差が学力格差につながりかねない危惧を感じております。早急に教師が土曜スクールにかかわれる環境を整備していかなければならないと考えます。先生方のお力添え、よろしくお願いいたします。  厚かましくも退任に当たってお願いまでしてしまいました。しかし、教育はあすの台東区をつくる礎との思いは同じと思います。この共通認識を共有していることに免じ、お許しいただければと存じます。  退任の日まであと11日。ある友人からテープを切るときがトップスピードと忠告をされています。全力疾走で退任の日を迎えたいと思います。  それでは、議員の皆様のご多幸、台東区議会のご発展、そして、台東区政の進展を祈念し、退任のあいさつとさせていただきます。  長い間ありがとうございました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) ご苦労さまでした。そして、ありがとうございました。  次に、ただいま教育委員会委員の任命について同意をいたしました野田沢忠治さんからあいさつがあります。
     野田沢忠治さん。          (総務部長野田沢忠治さん登壇) ◎総務部長(野田沢忠治 さん) このたびは私の教育委員の選任につきまして、吉住区長のご推挽を賜りまして、また、ただいまは区議会の皆様方のご同意を賜りまして、まことに光栄に存じます。  高い席からではございますが、心から御礼を申し上げる次第でございます。  国家百年の計と言われております極めて重要な教育に、今日ほど課題が山積し、解決に向けた取り組みが強く求められている時代は、かつてなかったのではないかと受けとめております。  教育改革に対するいろいろな意見が示すように、社会や人々の価値観の急激な変化が進むべき進路を見えにくくしていると思っております。こんなときほど教育の原点に立ち返って、教育委員会で冷静に不易と流行をしっかり議論し、そして、すぐれた台東区の教育の伝統を引き継ぎ、さらに発展させることができますよう、全力で取り組んでまいりたいと存じます。  多くの人々に台東区で学びたい、台東区で学べてよかったと思っていただけますよう、教育行政を前進させ、成果を上げることで、育てていただいた台東区に恩返しをさせていただく所存でございます。  どうぞ今後とも区議会の皆様方のご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。  本日はまことにありがとう存じました。(拍手) ○議長(伊藤萬太郎 さん) 以上であいさつは終わりました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(伊藤萬太郎 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。          午後 4時45分 散会                議長    伊  藤  萬 太 郎                議員    大 和 田     功                議員    鈴  木  昭  司...